県立高入試と大学入試はまったく別物です

何を当たり前のことを?と思われるでしょうか。
ご承知のとおり、まったくの別物です。

県立高入試は毎年似たような問題が出て、
しかも簡単で、
上位校であればどの科目も満点近く取れる人ばかりが受験していて、
不合格者数は合格者数よりずっと少ないです。
そして、どの県立高校を受けるにしても、入試問題は共通です。

だから、全員が同じ勉強をする方が普通で、塾でも集団授業が適しています。
もともと中学での学習内容が簡単で量が少ないために、塾がすべてライブで授業をしても十分に間に合います。

他方、大学入試は、大学ごとに出題形式は毎年似ていますが似たような問題は出ず、
しかも難しいです。
高校での学習内容が中学とは比較にならないほど難しく量は3年間で履修しきれないくらい多いのに、大学入試ではさらに難しく融合された問題が中心になります。
そのために合格者であっても7割以上得点できる受験生はわずかです。
大学によりますが、合格最低点をみてみると、筑波大学では大体7078%、東大では5265%程度です。大半の受験生がこの最低点あたりの得点となります。こういう結果となるくらい入試問題が難しいのです。
不合格者数は合格者数よりはるかに多いです。多くの受験生が不合格となり、不合格の方が普通になります。
そして受験科目は文系・理系、国公立・私立だけでなく大学ごと、学部ごとに異なり、入試問題は大学ごとにすべて異なります。
同級生でも受験する大学はバラバラです。必要な対策もバラバラのはずです。
つまり、一つのクラスの生徒といっても、志望校も目指すレベルも必要な科目も出題の傾向も難易度も補強が必要な科目も、みんなバラバラなのです。

そうであるにもかかわらず、高校生対象の塾では、高校入試と同じ集団授業のスタイルが多く、それに疑問を感じずに通う生徒も多いです。

また、高校の履修内容をライブの授業でまかなえると考えていることもまちがっています。必要な内容を網羅しようとしても、たとえ英語や数学だけにしぼっても、量が多すぎるために塾の授業時間では全然足りません。部分的な授業か、広く浅い無意味な授業とならざるを得ません。中学と同じ集団授業スタイルでライブ授業をするのは、量的に無理です。

たとえば、スタディサプリの授業時間(概算)を見てみると、高3生向けの数学では、
ⅠAⅡBスタンダード、ハイ、トップレベルがそれぞれ48時間ずつ、ⅢCでベーシックレベルが97時間、スタンダード、ハイ、トップレベルがそれぞれ24時間ずつあり、これらを合計すると、313時間になります。
この授業には無駄な時間はなく、編集により中身の詰まったものになっています。とても質が高い効率のよい授業です。
もしこれを塾のライブ授業で行うとすると、1日あたり90分として209日です。もちろん、自慢話・無駄話の時間や、サイドリーダー対策の時間、授業の途中で講師が混乱している時間は含めません。

また、高3生向けの英語では、
関先生の文法編、英文解釈編のスタンダード、ハイ、トップレベルの合計が112時間、リスニング、英作文、英単語補充編は別に14時間あります。
ほかに肘井先生の読解編、長文演習編が合計96時間あり、これら全部を受けると222時間あり、塾の90分ライブ授業では148日になります。

塾でライブ授業を受けても、時間的に、必要な部分の一部しか受けられないことが明らかです。
理解するために授業がどうしても必要だというのであれば、スタディサプリのようなネット授業を利用して、理解しづらい部分のみ受講すればよいのです。映像授業ではあっても、最初から全部受けないと先に進めないシステムにしている所は、量が多すぎて、無駄に時間がかかりすぎて、勉強効率がきわめて悪くなります。いつでも好きなときに好きな箇所から受けられるネット授業がおすすめです。スタディサプリは全科目で年間2万円ほどです。月額のまちがいではなくて年額です。1科目ではなくて全科目での料金です。
こんな便利な都合の良い時代になったのに、まだライブ授業にこだわるのは、中学生までの塾生活で刷り込まれたせいだろうと思います。そして高校での学習内容の量・難易度を知らないせいだろうと思います。都内では授業をしない武田塾がどんどん生徒数を増やしていることを別記事で書きました。こうした方式が今後拡大していくことと思います。

授業を受けただけでは問題は解けるようにはならず、そのあとで自分で問題演習をする必要がありますが、このときに疑問が出てきます。理解したつもりで実は理解できていなかったこと、勘違いしていたこと、理解が浅かったことがたくさん見つかります。授業は受け身になりますので、なんとなくわかったつもりになりやすいのですが、自分で解こうとして初めて、わかっていなかったことに気づきます。このわかっていなかった部分を解消するのが塾の存在意義だと考えます。ひとりひとり理解度が異なり、詰まる箇所も違うので、個別に質問に応じるスタイルこそが、高校生に潜在的に求められているものです。そうでなければ、高校でもわからなかったけど、塾でもわからなかった、で終わり、疑問を解消しないままに次の分野に行ってしまいます。だから、多くの一般の塾では、もともとできている生徒ができるだけなのです。もともとできていなかった生徒はできないままになり、せいぜい定期テストの過去問やサイドリーダーの全訳といったチートで順位アップできるだけです。バランスを崩した勉強となり、ある科目はすごくできるけれど他の必要科目が散々な出来になる人も出てきます。
大学入試が近づき、過去問検討に着手すると、集団授業の塾では役に立たないことが明確になります。一般的な授業ではそれぞれの大学に合わせることができません。最も合わせやすい英語であっても、大学ごとに出題内容・形式・難易度が異なり、対策も異なります。英作文や要約が必要であれば添削を繰り返すことが不可欠です。個別に対策を指導し、質問に対応してもらえる塾が必要になります。ずっと同じ長文読解のテキストの解説を延々と続けるだけの授業を受けたところで無益です。最も塾を必要とする時期に頼りにできず高校と変わらないことが多いのです。

多くの塾の在り方はおかしいのです。
もともとできる人だけが難関大学・学部に合格して、そうでない人たちはただ通うだけになりがちです。実績を喧伝している塾で実際に実績をあげた生徒はもともとできていた生徒(優待で月謝が大幅割引か無料だから通っている生徒)だけだったとわかるのではないでしょうか。授業でこなした教材を冷静に見れば、たいした実力になるはずがないとわかるはずです。薄い教材を時間をかけてこなしたところで、たいした実力はつかず、入試で得点できるところまで成長はできません。市販の問題集には必要十分(すぎる)な内容が書かれており、そうしたものをどんどん解き進めていくことで実力が身につきます。塾の授業で教わったことはすべてどこかに書かれています。優れた問題集・参考書が続々と出版され質がますます上がっています。どんどんこなして吸収していきたいものです。

県立高入試と大学入試はまったく別物です。したがって対策もまったく別物となります。塾の在り方もまったく別物になって当然だと思います。授業形式の方が塾側としては楽ですし、学生アルバイターを活用できるので利益もあがります。しかしそれは、高校生のためになっているとは、わたしには思えません。
天才的な受験生でない限り、適切な指導者が必要です。友人どうしで頑張ろうとするのは、もともとできる人には効果がありますが、そうでなければ受験生ごっこに終わります。一人一人理解しづらいところ、サポートが必要なところが違いますので塾での指導も個別であるべきです。
最近、AIを利用した自習形式の塾が増えています。あらかじめ大量の問題が関連付けられ、ある問題Aができれば問題Bへ、できなければ問題Cへ行くように作られているだけなのですが、英文法・単語と計算であれば対応できても、思考力を伸ばすには厳しいかなと思います。問題の質も難関大学入試にはまだまだ及ばず、せいぜい県立高校入試までかなというのが、私が体験した感想です。公文式をデジタル化したようなもので、公文式が計算中心で図形や思考問題を苦手とするのと同じです。レベル的にも一覧性においても、紙の問題集の方がはるかに優れています。なにより、疑問の解消はコンピュータではまだまだ難しく、疑問の核心を突いた回答はまったく期待できません。教える人が不要で生徒がパソコンと向き合っているだけのシステムを作りさえすれば、あとはフランチャイズを増やすだけで収益があがっていきますので、そうした募集が増えているのですが、店長の学力は不問ですべてシステムまかせの塾は一時的には増えてもやがて生徒がいなくなって消えていく気がします。


https://tsukuba-benbu.com/
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