大学受験をなめないでください。

塾生数が東京・大阪あわせて12000人ほどの塾があります。
毎年、東大に大量の合格者を送り出していることで有名です。

その塾は中1~高3の6年間を一体としてコース設計されており、
中1の1年間で中学範囲の主要教科を全部履修し終え、
中3までに高校の範囲を全部履修し終えます。
高1では高校の範囲を再びまわし(2周目)、
高2の3周目では入試レベルの問題をやり終え、
高3の1年間は4周目で、入試に向けた調整という位置づけになっています。

難しい入塾テストで合格した元々優秀な生徒たちがこれだけのことをこなして
大学受験に臨むわけなので、実績が出て当然といえます。

もっとも、かなりのハードワークになりますので、
開成高校の生徒であっても、大量に入塾して大量にやめていっています。
宿題をこなすことができない、授業についていくことができない、といった生徒は
睡眠時間を削ってついていこうとしますが、
心身を患い戦列を離れざるを得なくなります。
あるいは、あまりに大変なために科目を絞らざるを得ず、バランスの崩れた勉強を
続けることになります。
残って上位層を構成している生徒は、優秀な生徒の中でもハードな勉強に耐え抜いた、
超優秀な生徒のみ、ということになります。
つまり、塾は、高難易度と多量の宿題によって、超優秀な生徒だけをこし集めるフィルターとして
機能しており、生き残った生徒たちは当然に東大に合格していくことになります。

東大には、こうした超優秀なハードワーカーたちが本気で受験しに来ます。
合格するためには、その中に混ざって、定員内にとどまる成績を取ることが必要です。

以上は東大についての話でしたが、
旧帝大やそれに準じる難関大学、そして医学部・獣医学部も、
勉強を積み重ねてきた生徒たちが受験に臨む点で似たような状況です。
高校に入って初めて高校の学習内容に着手した時点で、すでに大きく遅れをとっています。
その自覚がないままに部活やゲームや動画に興じていて難関大学・学部を目指せるわけがありません。

まれに、部活動をずっと続けてきていて難関大学・学部に合格する人もいますが、
元々とても優秀であったか、部活動をしながらも必死に努力を続けてきたかのどちらかの上に
運が味方した場合です。何回受験しても毎回合格できるほどの実力ではないと思います。たまたま合格できただけです。
落ちこぼれていたり、夜中まで娯楽動画を見ていたり、ゲーム中心の生活をしていたりして、
難関大学・学部に合格することは、偶然であっても、あり得ません。
勝ちに不思議な勝ちはあっても、負けに不思議な負けはないのですが(剣談 松浦静山)、
勉強をしてこなかったのに部活動引退後から勉強を始めて難関大学・学部に合格するような不思議な勝ちはありません。

大学受験をなめていてはいけないです。
少子化が進み、選ばなければどこかの大学には入ることができる全入時代となりましたが、
難関大学・学部を狙う中高生は昔に比べはるかに効率よく大量の勉強を積み上げるようになりました。
難関大学・学部入学の競争は一層厳しくなったと考えるべきです。

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つくば市内在住の高校生は、ほとんど勉強していなくても気軽に
「筑波大学ぐらいでいい」
と口にします。
近くにあるので身近に感じ、控えめに、比較的簡単に入れそうな大学として筑波大学を
挙げることが多いのですが、
土浦一高や竹園高校の生徒であっても、模試で校内順位が30位程度以上の実力がないと入れません。
(高校の定期テストによる順位はあまり参考になりません)
3桁順位では受験するだけ無駄といえます。高校入学時点で遅れをとっている生徒はもっと厳しくなります。
学部・学科・学群によって異なりますが、偏差値60程度以上の大学は
そういうところです(ベネッセは偏差値が高めに出るので割り引いて考える必要があります)。

勉強をしてこなかった人が「志望校は最低でも旧帝大」などと言うことがありますが、
どのくらい大変なことなのかがさっぱりわかっていないからこそ言えるのです。

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仮に、難関大学・学部に入ることができたとしても、
大学院に進んだり、希望する研究室に入ったり、理想的な就職先をつかんだりするためには
大学の授業についていき好成績を取り続けることが必要です。
学力がギリギリで合格したのでは、大学での授業についていくこともつらくなります。

その意味では、指定校推薦はおすすめしません。
指定校推薦の場合、学力が全然足りていないにも関わらず書類を揃えるだけで合格することがあります。
希望する大学に入ることができて、しばらくはうれしいかも知れませんが、
一般受験で合格した生徒たちとの学力差が大きいと、そのあとが大変になります。
指定校推薦入試を受ける場合でも、本気で勉強をしてほしいです。
定期テストの直前に丸暗記で知識を詰め込むだけで評定点を稼ぎ推薦を取って合格すると、
最悪の場合、留年→大学中退という結果になります。

あまり勉強していない高校生が、この大学のこの研究室に入って好きなことをしたい、と
夢を語ることがありますが、勉強していない以上、ただの夢に終わります。
しっかりと勉強して学力をつけることと、勉強を続けることができる勉強体力・勉強習慣を
身につけていることが必要不可欠です。
そして実際に努力をする中で、思考回路をたくさん作り、丸暗記ではなく思考できる脳を作っていくことが
必要です。知識が豊富でも思考力がなければ大学でも企業でも不要な人となります。
情報が簡単に手に入るため、大学や研究室を選り好みする高校生が増えました。
しかし、そもそも選り好みする資格すらない、ということに気づいていない人が多いです。

勉強の場合にイメージがしにくいのですが、
スポーツ・芸術の場合だと、いかに無茶なことかがよくわかると思います。
運動をしていないか、していても県大会レベル程度の人が、プロスポーツ選手を目指すことは無理です。
あのチームは嫌いで、あの監督が好きだから、あそこに入りたい、なんて言わないはずです。
どこでもいいから拾ってほしい、とすら思わない(思えない)はずです。
これが大学になると、全然勉強できていないのに、東大がいいとか慶応にしようとか
好き勝手を言う人が多いです。
高校で研究まがいのことをやっているせいで、自分にも研究ができると思ってしまう生徒が多いですが、
将来こういう方面の研究をしたいといっても、学部生の間は無理です。能力的にできません。
博士課程まで行くか、修士課程後に企業の研究所に入って鍛えられて、ようやく研究者として歩み始めることができます。
やりたい研究があるから大学に入ろうと思うこと自体が誤りです。

土浦一高や竹園高校に入っていても、全国レベルで見れば学力は低いです。
冒頭にあげたように、中3までに高校の履修範囲を終えている生徒たちが、普通に存在しています。
その塾についていくことができなくなった生徒ですら、はるかに高い学力を持っています。

大学受験をなめないでください。

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BENBUでは勉強漬けになります。
とはいっても、心身が壊れるようなことまでは求めません。
夜更かしは絶対禁止など、心の面で負荷が過剰になっていないか
いつも気をつけています。必要であればカウンセリングに入ります。

勉強体力・勉強習慣を身につけることを最優先にしています。
そのうえで、できれば、どんどん先取り学習をしていただきます。
授業を受けていただくこともできますが、多くの場合、教科書や参考書を見て理解し、
わかりづらい部分は座ったままで質問していただいて解消し、
問題集を解き潰していって理解を深めていただきます。
これが最も効率がよく、かつ、実力がつく方法です。

集団授業では受け身になるので勉強体力・勉強習慣は身につきません。
そのうえ要する時間に比べて学習内容がうすく、わかった気になりやすく
自分で問題を解こうとして初めて、理解していなかったことに気づきます。
授業は受けたあとで復習することが必須ですが、高校の授業と塾の授業の両方とも復習が必要となると
どうしても時間が足りなくなり、課題をこなす時間もなくなってしまいます。

他人から教わるものはすべて知識です。「考え方を教える」といっても、「考え方」という知識になります。
本物の考え方、思考力を身につけるには、自分で考えるしか方法はありません。
授業で得られるものではなく、せいぜいそのきっかけが得られる程度です。
BENBUでは、考え方を身につけてほしい場合に、一緒に考えます。
少しずつヒントで誘導しながら考えてもらいます。集団授業では実現できません。
考える力がついてきた人には回答が抽象的になったり不親切になっていきます。
それは、自分の力で考えることができる範囲だと判断したためで、無理であれば補充をします。
自分で考える時間をしっかり確保することが、なによりも重要です。
公式のあてはめだけをしている人には、なぜその公式が使えるのか、公式の証明はどうするのかをツッコミます。
思い出してあてはめるだけの作業は勉強ではなく、アタマを使っているとはいえません。
知識では、目先の定期テストには対応できても、入試問題に対応できる実力はつきません。

昨年度、授業中心の他塾に通っていた高3生を救ったことがあります。
その塾は派手に合格実績を宣伝しているのですが、
その生徒は基礎コースに通っていて、うすい英語の問題集を少しずつ解き進めているだけでした。
そのままであれば志望校にはまったく手が届かない、話にならない状態でした。
成績が伸びないことに悩み、友人がたまたまBENBU部員であったために、
友人を介してBENBUに移ってもらうことになりました。
こんなことも知らないの?ということが、数学、化学だけでなく英語でも多くあり、
その塾の宣伝に大きな疑問を感じましたし、無責任さに怒りも感じました。
実績を派手に宣伝している塾は、実績を出せる生徒しか気にしていないといっても言い過ぎではありません。
学年の上位の生徒を常に求めています。そうすることで実績を出すことができ儲かるからです。
実績を出せない生徒は基礎コースなどに押し込め、入試が近づいても従来どおりのテキストに従って
週1、2回の授業を続けるだけです。志望校ごとの対策などはしません。全員に同じ授業をするだけです。
つまり、言葉を選ばずに言えば、収入源として扱っているだけです。
移ってもらった生徒から話を聞き、テキストを見せてもらって、愕然としました。
その生徒には毎日通ってもらい、英文解釈問題もたくさんこなしてもらって伸びなかった英語を伸ばしてもらい、
数学も理科も高1レベルからやり直してもらって、なんとか志望校に入ってもらうことができました。
時間的にギリギリでした。
決まったテキストをこなしていくだけの授業なのに、なぜ人気があるのか不思議です。
志望校ごとに、生徒ごとに、時期ごとに、やるべきこと・やるべき科目・その量・バランスは異なるはずです。
できない生徒にも志望校はあり、それぞれに適した対策を取るべきです。
受験生全員が同じことをしていて各生徒にプラスになるとは思えません。
漫然と集団授業を続けているだけの塾の姿勢に疑問を感じます。

上記他塾の宣伝(実績)が事実であれば、それは、もともと優秀な生徒を集めたためであり
優秀な生徒がそれぞれに努力をして結果を出したに過ぎず、塾自体の実績とは言えないと思っています。
(定期テストの過去問やサイドリーダーの訳を配ってテストの点が上がったとするのは詐欺に近いです)
(ましてや、1科目や2科目だけなのに合格実績を謳うなど、寝ぼけるなと言いたいところですが、
 宣伝効果は高いようです)
冒頭の塾もそうですが、優秀な生徒を数多く集めることができれば、実績は自然とあがっていきます。
昭和の時代に各予備校が最も力を注いでいた営業方法ですが、いまだに効果を発揮しています。
あの手この手で授業料を無償にしてでも優秀な生徒をかき集めさえすれば、
あとは優秀な生徒たちが自分で努力して結果を出してくれます。
それを予備校の実績として宣伝すれば自動的に優秀な生徒が集まるようになってきます。
因果関係がなくても因果関係があるかのように錯覚させる手法です。
「東大○○○名合格!」と宣伝していれば、そこに入るだけで自分も東大に合格できると盲信してしまいがちです。
授業を受けて実力がつく、といったことを信じている時点で、すでにおかしいですが、
予備校・塾に入るだけで合格できると信じるなら、もう、意見する気にもなれません。
合格する人が合格しただけで、そこに入れば合格するわけではありませんし、
その予備校もそういうことは言いません(言った時点で詐欺罪(刑法246条)の構成要件に該当します)。
勝手に錯覚するような宣伝にひっかかる人も多いのですが、自己責任です。
それで満足するならそれでいいと思います。
その予備校・塾に通うことがステータスであるかのように感じるのなら、その価値を否定するつもりはありません。
都内の塾に行けば、テレビにも出演するような有名な講師の授業を受けることができますが、
そうした講師は多数の問題集を出していますので、それをこなすことで必要な情報は得られます。
BENBUには、たとえば英語では、「関正生」と表紙に名前がついている問題集が7冊、「竹岡広信」が10冊、
「安河内哲也」が8冊、そのほかにもいろいろな問題集が置いてあり、いつでも参考にしていただけます。
こうした問題集を現時点のレベルに合わせてどんどん解いていけば、必要なことはすべて身につきます。
大学受験ではおつりがくるくらいになります。
塾の講師がオリジナル教材を作って自慢していることもありますが、
そんなものは市販のものより低レベルです。
市販の教材は多数の受験生の批判にさらされ磨かれ改訂されていきます。元がゴミレベルであれば出版すらかないません。
かなりの大手であれば優れた教材を作っていることもありますが、それは市販されています。
些末な英文法の難問(捨て問)ばかりを集めた教材をやらせている塾に通っても実力はつきません。

授業はきっかけにすぎず、高校だけで十分でしょう。
ネット授業もたくさんあり、いつでも必要な部分だけをすぐに見ることができます。
塾で授業を受ければ時間がどんどんなくなっていきます。一人一人に特化できない集団授業はなおさらです。
大切なのは授業ではなく、自分で勉強する時間です。
自分のアタマでしっかり考え、大量の問題演習をこなしていくことで、実力がついていきます。
生徒にとって大切なのは、勉強できる環境と、疑問が生まれたときに解消できるかヒントをもらえる環境です。

難関大学・学部にはカンタンには手が届きません。
授業を受けただけで手が届くようになることはあり得ません。
なにかを覚え込んだだけで合格することはありません。解き方を覚えて正解できるのは定期テストのみです。
試験会場で初見の問題を自分一人で時間内に解いて合格を勝ち取らねばならないのです。
県立高校入試のようなカンタンな問題が並んでいる大学入試はありません。
合格者は受験生の中で少数派です。みんなと同じでは合格しません。
合格したければ、自分で勉強する以外に道はありません。
大学受験をなめないでください。