移転しました(いまさら)

8月から完全に移転し、3ヶ月目に入っています。
ほとんどの移転作業は完了し、さらに新しい環境に適応するように工夫を積み重ねているところですが、
実は、電源コードを束ねるという、たったそれだけの作業(といっても机の数だけあるので大変ですが)は
わざと残したままにしています。
これは、私自身が精神面のバランスを崩さないための工夫です。

環境が大きく変わったとき、変化の善し悪しに関係なく心身はストレス反応を示しがちです。
ひどい場合には、うつ状態になったり、虚脱感に襲われたり(燃え尽き症候群の一種)します。

対処法として一般的には、自分の感情や意欲、作業効率などを観察して、
気分転換を図り食事と睡眠をしっかりとるというアドバイスがなされることが多いのですが(軽度の場合)、
そんなことができないから調子を崩すんですよね。
医者が口にする対処法は、空論に聞こえてしまうこともあります。
「休みましょう」と言われて休めるんだったら、医者はいらないです。
そうした AI でもできるアドバイスに怒りを覚え、「こんな所に頼ってたまるか!」と
発奮することで、それだけであっさりと治り新しい環境に適応できてしまうこともあります。

私の場合、予防しておいた方がよさそうだなと判断したときに、あえて作業を完了させずにひきずったり、
以前の環境を残しておいたりすることにしています。そうすることで予防になることがわかっているからです。
おかげでストレス反応はほぼなく、ベストなパフォーマンスを維持できています。
ただ単にぐーたらな性格が出ていることの言い訳をしているだけかも知れませんが。

自分自身をどう操縦するか、これは一生工夫をし続けることが必要な課題だと思います。

できない自分、理想から遠い自分を、どうやってより良い方向に持って行くかを考え続け、
去年の自分、先月の自分、先週の自分、昨日の自分を超えていけると、うれしくなりますが、
そうしたことを考えないまま、感じないままに、いたずらに年を重ねてしまうこともあります。
何も変わろうとしない自分を、この先、どうするか、
情熱も成長への意欲も薄れてしまった自分を、どうするか、
ストレスと不安ばかりで喜びを感じられなくなっている現状から抜け出す気力すらない自分をどうするか、
大きな問題ではあります。
しかし、少しでも悩んでいるのであれば、解決したい気持ちが残っているということです。
日常生活の中のほんの一部分を、なんでもいいので変えてみることから始めると
次第に良い方向に流れができていくことがあります。
靴下をいつもと違う方の足から履く、でもいいと思います。
食事で噛む回数を5回ずつ増やすことでもいいと思います。

高校生の場合、自分で自身を操縦できている人は少ないですが、
環境を選ぶことで目的を達成しやすくなります。
そういう環境を提供する場として、塾があっていいのではないかと考えています。
授業時間枠だけの滞在ではなく、長時間ずっと滞在し、
勉強する雰囲気・環境の中に自分を置くことで、結果として自身を操縦するのです。
こうした滞在型の塾が増えてほしいものです。
どうしても、授業の切り売りをして回転数を上げた方が儲かるので、少数派にとどまるでしょうが、
広がってほしいです。

社会人になると、環境を求めることが難しくなります。
せいぜい、都内まで出かけて高額なセミナーを受講して、つながりを作るか、
何かの講座を受けて毎週参加するか、といったくらいになるでしょうか。

ネットではこうした環境を得ることは難しいように感じます。
やはり、直接、人と会うことでしか得られないもの、伝わらないものがあり、
それがとても大きな影響力を持つと思います。

社会人の場合は、自分を操縦するきっかけであれば、読書によって、つかむこともできるかと思います。
直接人と会うことに比べて、影響力は小さくなりますが、古今東西の叡智や体験を支えにして
自分自身を操縦していくことは可能です。
高校生でも、読書によって自分の操縦に役立つ気づきが得られることもあるでしょう。
そこでBENBUでは、勉強用の書籍だけでなく、高校生のメンタルヘルス維持に役立つ書籍も
部員が自由に読めるようにしています。



10月中旬となり、いよいよ受験シーズンに突入します。
部員も、その保護者の方も、プレッシャーやストレスが大きくなり対処しづらくなることがあるかも知れません。
そんなときは、声をかけてください。
平日午後であれば面談も可能です。