ドラゴン桜2おもしろいですね。

前作より演出が激しいので(半沢直樹風)、好き嫌いは分かれるかも知れません。

第4回(5月16日放送分)では、
スタディサプリを使って弱点を把握する勉強法が紹介されていました。
勉強法といっても、単に授業動画を見ていって、苦手な分野があれば進みが遅くなるので
習熟度が進捗度によって把握できる、というだけです。
一気に見ることも可能なので、とても効率のいい勉強ができます。
BENBUでも化学を一気に得意にした部員も出てきました。
これは早く広まってほしいです。
別にスタディサプリから資金提供を受けているわけではないですが、
ネットで全科目、どの分野からでも、曜日や時間帯に関係なくパジャマのままでも自由に見ることができ、
次に進むときに確認テストなどを受ける必要がなく、次の授業まで何日も待つ必要もなく、
なにより料金がきわめて安い(ベーシックコースで年2万円ちょっと)ので、
高校生のインフラになってほしいものです。
異常に高い予備校の映像授業や、塾側のスケジュールに合わせるしかない授業、
高校の教科書棒読み授業、雑談が大半の無意味な授業、
教養の名のもと受験に無関係な教科の強要授業(多量の課題や課外授業付き)を
将来的には排除してくれるものと期待しています。
良い授業を受けることでダメなものはダメとわかります。
高品質の授業をいつでも自由に安く受けることができ、
生徒自身の努力によってのみ結果が決まる、そんな大学受験になってほしいです。

話の中で、
「東大合格必勝法 家庭の10か条」
が示されていました。
どれも納得するものばかりでした。
その第2条に「何か1つでも家事をさせること」があります。
例として、朝の玄関掃除や帰宅後の風呂場洗いが挙げられていました。
家事をさせる理由として桜木先生が言ったのは次の通りです。
 『受験にとって重要なことは、日常生活を大切にすること
  とかく受験というと、すべての時間を勉強に使わせたいと、
  家庭を非日常空間に変えてしまう。
  子どもは敏感ですから、自分が家族に負担をかけていると罪意識を感じ、
  やがてそれが重圧に変わり受験を放棄することになりかねません。
  そういった失敗をしないためにも、家族の日常は変えないでください。
  規則正しい生活により習慣性がつく。そして勉強するサイクルが生まれる。
  勉強することが当たり前になったら勝利は確実だ。
  日々の生活を大切にする生徒は、受験には勝つんだ。』
これも納得です。
勉強することは特別なことじゃなく、生活の一部です。
大変なことをしているんだから、家事はすべて免除してあげなきゃ、
などと特別扱いをすることから狂いが生じてきます。

第7条の「勉強に口出ししないこと」は、とても守りづらいものでしょう。
私の両親は私に対して「勉強しなさい」とは一切言いませんでした。
そのことにとても感謝しています。
だから私も、私の子どもに対して「勉強しなさい」とはあえて言わないようにしました。
言わなければならない状態に至っているならば、すでに問題が存在していると考えていいと
思います。その問題の解決を急ぐべきでしょう。
勉強することは特別な努力をすることではなく、あたりまえのことなので、
あえて命令しなければならない状態は異常です。
親が楽しそうに勉強をしていれば、子どもは自然と勉強したいと思うようになります。
子どもの「なぜ?」に正面から向き合い、一緒に調べることを続けていれば、
自分で調べ自分の頭で考える人に勝手に育っていくはずです。

BENBUでは、勉強することはあたりまえのことという雰囲気になっています。
勉強をテスト1週間前だけ集中的に行う特別なものと捉えている限りは、絶対に伸びません。
ふだん、ゲームや部活動に没頭していて、テスト前だけ頑張っても無意味です。
テストに出る問題がわかっていて、解答を覚えれば点が取れるようなテストを行っている高校も
存在しますが、その高校では実力はつかず、有名大学には推薦で入ることを狙うことになります。
もし実力をつけたいなら、高校の授業には見切りをつけて、塾などで勉強するしかありません。

勉強することは日常のあたりまえの行為で、食事や家事と同じレベルのものです。
直前の詰め込みは単なる知識の一時記憶にすぎず、
脳自体、思考力自体を進化させる勉強にはならず、難関大学には到底届きません。
勉強を日常化してこそ、脳も発達していくのです。
勉強が本当に嫌いであるなら、勉強しなくていいと思います。
ただ、本当に勉強が嫌いな人は少ないはずで、嫌いだと思うきっかけがどこかにあった
だけだと思っています。その体験または刷り込みが障害になっているだけのはずです。
原因が親の対応にあったのなら、親から変わることが必要になります。
「お金をかけているんだから成績をあげろ」的な言葉は一生残る心の傷になります。
学校の教師に言われたことがきっかけならばBENBUで少しずつ癒やしていくことができます。
生物にとって学習は生存に必須の行為で、上達には必ず喜びが伴うはずだと考えています。

BENBUに入ってまもない段階では、保護者の方は、自宅でも急に勉強するようになって
どんどん学力が上がっていくことを期待されがちですが、
勉強を日常化させること、習慣を変えていくことは、そんなにカンタンなことではありません。
これまでの生活を急に変えても無理をさせているだけで、すぐに破綻します。人間の心理に反しているからです。
これまであまり勉強をしてこなかった生徒には、本人の意識だけでなく、いろいろな原因が
背景にあります。そうしたものを、じわじわと変えていくのがBENBUのすごい効果です。
(まったくの自画自賛ですが、時間が経てばわかっていただけると思います)
BENBUに滞在中は原因が存在する環境から離れていますので、
滞在時間が長いほど効果が現れるのが早くなります。
もっとも、ゲーム中毒になっていたり、生徒自身に学習意欲がほとんどなかったり、
過度に自己肯定感が低いまたは臆病であることによりネガティブな思い込みが強かったりする
場合には、効果がありませんので、判明次第、退部していただいています。
つくば市の上位高校に通っている生徒でも、学力が極端に低い部員もいます。
似たような簡単な問題で毎年構成される県立高校入試では詰め込みで9割を取ることも可能だからです。
数学においては、ドラマにも出てきましたが、数の暗黙知(感覚で捉える力)が弱すぎて
どこまで遡ればいいのか気が遠くなることもありますが、本人にやる気がある以上は伴走することにしています。
単にできないからという理由では退部にはしません。

今回、ドラゴン桜2を紹介しましたが、このドラマを見てほしいということではありません。
参考になる点があれば紹介させていただきます。