睡眠時間を削ること = 脳を削ること

ホームページの最新情報欄に2月10日付けで、
4月から居残りを 22:30まで に変更する旨を載せました。
「睡眠時間を削って頑張る」のはまちがいだからです。

わたしは、高校生から大学院生時代にかけて、とてもぐーたらでした。
大学に入ってからは家庭教師や塾講師のアルバイトが楽しくて、
1ヶ月に最高でどこまで稼げるのかにチャレンジし大卒初任給の2倍を
超えるところまでやったこともありましたが、
基本的にはぐーたらで、母親から「縦のものを横にもしない」とよく言われていました。

高校生のときに特にはまっていたのは、
水泳(部活動/真夏だけ)と雑誌「大学への数学」の学力コンテストだけでした。
それ以外は、家では基本的に眠っていました。
勉強は学校の授業時間内に、授業を参考程度に聞きながら自分で問題集を解いたり、
教科書をまとめたりしていました。
くだらない宿題は無視していましたが、テストで点を取るので、そのうち教師たちは何も
言わなくなり、自由なポジションを獲得することに成功しました。
親は「勉強しなさい」とは一切言わなかったので家でも自由に過ごせました。
それがとてもありがたかったと感謝しています。
だらだらしていても、寝てばかりでも、小言もなく普通に接してくれていました。
「弁当箱出して」「体操服出てない」だけは毎日のように言われていました。

とにかく眠ること。
とにかく体を休めること。
そうしないと、昼間起きている時間帯の集中力が落ちてしまうことを何度も実感していました。
だから、眠れるときには最優先で眠っていました。
その代わり、起きているときにはめいっぱい集中していました。
そうしたメリハリが重要だと思います。

眠いままに無理に頑張ろうとしても、動くのは体だけです。
脳の思考する部分は眠っています。動物として起きているだけです。
無理を重ねると、記憶の中枢である海馬が劣化していくようです。
感情のコントロールが難しくなる実感もあります。
脳細胞が自己破壊を始める(ミクログリア活性が上がりすぎる)とか、鬱になるとか、
いろいろ研究されてもいるようです。
脳が成長途上である中高生が睡眠不足状態を続けると、脳の成長に悪影響が出ないはずがありません。
中高生にとっては、しっかり眠ることが最重要かつ最優先事項なのです。
そもそも、眠い状態で勉強できますか? やる気がおきますか?
大人でもキツいことを子どもに押しつける親もいるようですが、
まずは自分でやってみるべきでしょう。
昔はできていた、と思うことがあるのは、記憶の改ざんに他なりません。

学校の定期テスト前によく見られる愚行として、
夜更かしして総復習をし知識を頭に詰め込む、というのがあります。
公立・私立を問わず、つくば市内では中学生に多く見られますし、
高校生になってもそれから抜けられない生徒も多いようです。

これは、バカになります。
バカになる行為をしているのに、「2時までがんばった」などと自慢していたりします。
バカの2乗です。

中学生で、テスト前に総復習が必要な状態になっている時点で、すでに終わっている感じですが、
さらに夜更かしをして知識を詰め込もうとすることで、脳がバカになっていきます。
思考力が弱化し、覚えたものを思い出して対処することしかできないアタマになっていきます。
脳を自ら壊しているので責任は自分自身にあります。

高校生になってもそれを続けるならば、
理系の難関大学にはまったく届かない頭脳に育ちます。
英語と社会については、覚えることが中心になるので、文系ではある程度は戦えるでしょう。
そうやっても覚えられるならば、の話ですが。
数学や物理を得意にするには、脳を大切に育てる生活態度が欠かせません。
ふだんからスマホで夜更かしをしていたならば、もう救いようがありません。

テスト前にどれだけ夜更かしをしたかを自慢し合うような、愚かな風潮は、
なくなってほしいものです。