英語/サイドリーダーより優先すべき問題集

高校の英語の授業ではサイドリーダーが配布され、定期テストの点数の3割程度がサイドリーダーから出題されるようです。
そもそもサイドリーダーは、知らない単語があっても気にせず読み通す力を養うために使うもので、精読を前提とした出題はまちがっていると考えます。
サイドリーダーは無理なく読めるレベルのものを多量に読むことで効果が発揮されますので、難易度の高いもの(特に小説、論説)を読ませることもまちがっていると考えます。
大昔は教材がなかったので、そうした勉強方法も存在し得ました。
しかし、現在では、入試問題で解釈の難しい文章が多数出題されて蓄積されており、それらの一部が参考書・問題集として多量に出版されていますので、英文読解の実力をつけるためには、そうした問題集をこなしていくべきです。
問題集には、しっかりとした解説もついており、解いた努力・時間がムダになりません。
優れた解説のついた良質の問題を数多くこなすことこそが、実力を上げる方法です。

多くの高校生たちが、英語の定期テストで点数を稼いで順位を上げるためにやっていることは、サイドリーダーの訳(日本語)を覚えることです。
そうすることで和訳で点がとれるからです。
しかし、英語の実力はほとんどついていません。
塾の中には、サイドリーダーの訳を配っているところもあるようです。
生徒たちが自滅するのを手助けしてしまっています。
ニュアンスの違いを解説して生徒受けを狙っても、入試とは無関係です。
生徒の中には、そうした解説を聞いて「レベルが高い、すごい」と錯覚する人もいるようです。
文系出身の塾講師がよく使う手ではありますが、入試の実力養成には無関係なので、私は無視します。

高校の授業で、サイドリーダーについての解説がなされることはほとんどありません。
すべて生徒まかせにしています。
ひどい教師は、わかる生徒(訳を持っている生徒)に聞くように言っています。
教師自身は読んでいないのでしょう。
なんのためにやらせているのか、さっぱりわかりません。
英語に限らず、問題集の解説を配布しないのに授業でもまともな解説をしない(できない)教師が少なくないですが、サイドリーダーも課題として課すだけで注意すべき箇所、役に立つ箇所の解説もせずに放置する教師も多いです。
彼らは無能で無価値であると言わざるを得ません。ただの税金泥棒であり、こんな人たちを養うために税金を払っているのかと思うと悲しくなります。
教師たちは「給料が安いのに部活の顧問までさせられて酷使されている」と言い訳するかも知れませんが、だったら普通に就職すればいいです。教師を続けてもらう必要はありません。自分で選択しておいて文句を言うのは甘えです。
より優秀な教師の卵はいっぱいいますので、無能無価値な教師は早く辞めていただきたいです。
コロナ禍の中、倒産・閉店する民間企業が多く、将来の見通しが明るくない企業も多い中、地方公務員は安定しています。それでも文句を言えるのなら言って見ろ、といいたいです。
生徒や保護者は、地方公務員である教師を崇める必要はありません。税金で雇っているだけなので、威張らせる必要もありません。
間違っていることは、間違っていると、はっきり言うべきです。

コロナ禍で映像授業がなされました。これが可能であることがはっきりしました。
通信速度はさらに速くなろうとしています。
日本の中で、超優秀な教師に授業をさせて、それを日本中の公立高校に一斉に配信することもできます。
都道府県や地方自治体レベルでも可能です。
そうすることで、時間の無駄でしかない授業をなくしていくことができます。
教員の数が足りない、などというのは、自分たちの地位を守るためのウソにすぎません。


今回は、サイドリーダーに時間を費やす代わりにやっておくべき長文読解問題集を紹介することにします。
実力のつかない勉強に時間を費やすことは空しいです。
たとえ定期テストで点数が取れたとしても、何がうれしいのでしょう?
かりそめの順位で喜べるのでしょうか?塾の宣伝材料になっているだけです。
そんなごまかしの世界に浸っていては、現実の大学入試に不利になる一方です。
定期テストでのサイドリーダー部分の点数は捨ててでも、やるべきことをやっていくことが、生徒の将来につながるはずだと、私は考えます。
高校での成績にこだわりすぎるのは、ただの依存であり思考停止(放棄)です。
権威(あるとすれば)にすがっても御利益はありません。
卒業生の実績は、高校の力だけによるものではありません。別の力の方が寄与が大きいと思っています。
ある塾の実績も、その塾の力だけによるものではありません。
何が必要かを見抜き、目標に向かう手段をとり続けるべきです。
生徒本人に自立が求められます。保護者も同様です。






■全レベル問題集英語長文1~6

書名通り、レベル別に分けられた長文で徐々に実力を伸ばしていくシリーズです。
中学時代に単語の意味から英文の意味を推測するクセをつけてしまった人は、この問題集で辞書を引かずにトレーニングするといいです。
県立高校入試では単語の意味から文章の意味を推測できるので、英文とはそうやって読むものだと勘違いしやすいです。
そんなクセがついた人は、大学受験の英文ではまったく歯がたちません。





■やっておきたい英語長文 3005007001000

書名の数字くらいの語数の長文がまとまっています。
英文の構造をしっかり把握し、さらに文脈を読み取るトレーニングに向いています。
サイドリーダーのような文章は、実力をつけるのに役立つ部分があったとしてもわずかで、効率がきわめて悪いです。
この問題集に取り上げられた文章は、入試問題に出されたものの中で実力向上に役立つ良問のみとなっています。
これをやらずにサイドリーダーに時間をつぶすなんて、あり得ないレベルのまちがった指導だとおもいます。








■英語長文ハイパートレーニング

この問題集も、英文の構造をしっかりつかめるようにきめ細やかな配慮がなされています。
徹底精読のパートや速読トレーニング用に編集された本文もあり、着実に実力を伸ばしていくことができます。








■英語長文問題精講

入試問題で構成され、入門で24題、基礎で50題、もう1冊が60題あります。
徹底的にトレーニングしたい場合にとても役立ちます。
このシリーズは昔からあり定評があります。
受験生たちに磨かれぬいた問題集と言えます。
特に数をこなしたい場合におすすめできます。








■体系英語長文

わずか16題のみ(すべて入試問題)の問題集ですが、長文読解公式がちりばめられ、なぜその問題の解答がそうなるのか論理的に解説がなされています。
ある程度読解力がついたと思う人が読んでも、得るところが多い書です。








■英語長文プラチナルール

9レッスンからなり、わずか9問の入試問題を題材に、読解に欠かせない能力・知識を身につけさせようとするものです。
レッスンごとに取得すべきテーマが明確に掲げられています。
他の問題集の補充として役立つでしょう。








■徹底長文読解講義

学び方が明確に指示されており、それに従って内容真偽・空所補充・整序・語彙・総合のトレーニングを行い最後に全訳問題が10題ついています。
300頁ほどの問題集ですが、やり通すのに結構時間がかかります。
自分のやり方をいったん脇に置き、この本のやり方でやってみることで自分の解法を磨くことができます。








■英語長文特別講義

200頁もない、薄い問題集ですが、竹岡先生の本です。
竹岡先生の本は、見た目は薄くても、実際にやってみると内容が凝縮されていて、かなり骨が折れるものがほとんどです。
この本も、その一つです。
入試問題が16題のみですが、和訳や大意要約問題で苦労します。
さっと終わらせることも可能ではありますが、この先生の本はしっかり読み込んで考えることが必要です。
やりこむほどに得られるものがあります。








■英語長文問題精選

考える力を養うのに適した問題集です。
英文の骨をいつでも自然にしっかり見抜く目が養われます。
知らない単語の意味の推測方法や、動詞句の処理方法、訳し方など、入試問題ならではのアタマの使い方やテクニックを習得できます。



以上がサイドリーダーに時間を費やす前にやっておきたい長文問題集です。



長文に取り組む前に、読解の能力を養いたい人は、こうした問題集をやるべきでしょう。
小説を読んでいては決して身につかない実力が身につきます。


ある程度実力がついたなら、速読に挑戦してもいいと思います。
入試では英文を速く読めるほど有利になるのはまちがいないので、
なんとか入試問題を解けるレベルに至れば、こちらもやるといいです。