BENBUはゆるいです。

BENBUは難関大学・学部を狙う高校生のための塾なので、
一般的には厳しそうで教室の空気が張り詰めているように
思われるかも知れません。

実際には、BENBUはとてもゆるい雰囲気です。
室内には常時音楽を小さな音で流し続けていますし、
生徒は何かを聴きながら勉強することもできます。
仮眠制度まで設けています。
そうした雰囲気は、室内の掲示を見ていただければ伝わるかな
と思いますので、後ろに写真を掲載してみます。


なぜゆるいのか?
なぜ、あえてゆるくしているのか?
理由があります。


ある塾では、生徒に対し強迫的に宿題をさせています。
精神的におかしくなりそうだからという理由でBENBUに移ってきた
生徒もいました。当然でしょう。
別の、小学生向けの塾では、はちまきをさせて
「必勝!」「合格する!」などと叫ばせていたりします。

こうしたやり方は感情面を刺激して、
本心に逆らってまでも勉強をさせようとするものです。

これは低レベルの受験には役立つでしょう。
一時的な集中で足りる勉強には効果があるでしょう。

感情面にはたらきかけて勉強の意欲を盛り上げるやり方は、
勉強方法論としては、最低・最悪です。
やる気に満ちあふれるのは、その場だけです。
その日のうちに冷めてしまいます。人間はそういうものです。
肉体労働ならまだしも、頭脳労働にはまったく向いていません。
まあ、よく陥りがちではありますし、
そうした方が保護者受けがいいとわかっていて、
半分宣伝として塾側は採り入れているだけでしょう。
本気で信じているのなら、そこの塾長はただのバカです。

感情面に訴えかけて、半分脅しながら勉強に向かわせることは、
大学受験には百害あって一利なし、です。
大学受験は、そんなレベルの低い、その場しのぎで乗り切れるような
ものではありません。
勉強した内容は長期記憶にならず、感情とともに薄れていくでしょう。
脳の海馬は、否定的な感情を伴う記憶は消し去ろうとします。
いやいや勉強しても、どんどん忘れていきます。
時間のムダでしかありません。

はちまきをさせられて、叫ばされている小学生の中にも、
灘と開成の両方に合格するような生徒もいます。
彼らは、叫びながらも、へらへらしています。
ひとつのコント、息抜きとして楽しんでいるだけです。
勉強とは関係のない行事として、やり過ごしているだけです。
彼らは勉強が生活の一部になっていて、テレビをみる感覚で
問題文に向き合います。食事のときも問題を考えていたりします。
くだらないバラエティ番組より、はるかにおもしろいからです。
感情面で上げないと勉強に集中できないようでは、
そもそも受験生とはいえません。


話を戻します。
なぜゆるいのか。
それがもっとも勉強効率がいいからです。

大学受験は、特に難関大学・学部を狙う場合は、
やるべきことが文字通り山のようにあります。
難易度もとても高いです。
毎日長時間、勉強をし続けて、
知識だけでなく、自身の能力自体を成長・拡張させていくことが
必要になります。
能力の伸長なしに、知識を補充しただけで合格できる大学は偏差値40以下です。
何かを覚え込んだら合格できる、なんて、県立高校受験レベルでの常識は
難関大学・有名大学の受験には一切通用しません。
県立高校の上位校に合格した生徒の中には、その「常識」から
抜け出すことができなくて、低迷したままの人もいますが、
ちっぽけな成功体験は忘れて、できない自分を直視し、
本気で勉強していくしかありません。

都内の私立高校や中高一貫校の生徒も含めた、日本中の高校生がライバルと
なりうる大学受験は、県立高校受験とはレベルがまるっきり違います。
県立高校に合格した時点で、すでに高1、高2の勉強を終えている高1生も
ライバルの中にはいるのです。出遅れてしまっている現実を忘れてはいけません。
土浦一高や竹園高校に通う生徒の中には、プライドが異常に高い人もいます。
中学生時代に常に上位層にいたことが支えになっているのかも知れません。
でも、所詮、高校入学でやっと高校の勉強を始める、公立高校の生徒に
すぎません。中高一貫校や難関私立校の生徒に大きく遅れていて、
「自分はすごいんだ」などと勘違いしている姿は滑稽でしかありません。
土浦一高等に合格しただけで、周囲がほめちぎるのは間違っています。
合格しても、そこまでの人(高校でやっていけない人)もいるのです。
周囲がほめて生徒を勘違いさせてしまうと、救いようがなくなります。
高校の授業が始まれば、想像以上に進度が速くて内容が難しいことに気づく
でしょう。それについていくだけでも大変な日々となります。
部活動との両立は、きわめて厳しいと実感するでしょうが、
休みのほとんどないブラック部活に入ってしまうと、やめることもなかなか
スムーズにはいきません。
もし、難関大学を目指すのであれば、速い進度を超えてさらに先に進むことが、
必須条件となります。高校の進度通りだと入試問題を検討する時間が
足りなくなるからです。
まれに、部活動も続けながら、現役で難関大学に合格する生徒も出ますが、
彼らは肉体・精神の限界まで努力を重ねています。
そして、合格は、「たまたま」の運であることがほとんどです。
大学に入れば、周囲は自分と同じか、それ以上の人たちです。
そうした人たちをさらに引き上げるべく、大学の授業が構成されます。
ギリギリで心身ともボロボロになりながら入った人の場合は、
大学で落ちこぼれてしまうか、燃え尽きて廃人状態になってしまう危険性が
とても高いです。
そんな大学合格に意味があるのか、考える必要もあると思います。

ブラック部活に入っていないとしても、公立高校から難関大学・学部を目指すと
いうことは、それだけで十分に大変できついことです。
そのうえに余分なプレッシャーをかけられたとすれば、精神面でおかしくなります。

親の中には、子どものためと勘違いして、プレッシャーをかけ続ける人も
いますが、子どもは潰れていくだけです。
親の期待に応えられないと思ってますますネガティブになって落ち込んでいくか、
無意識的に親のために勉強しようとして、やってもやっても伸びない状態に
なります。
徹夜してでも頑張れという間違った指導をする親もいるようです。
肉体労働ではなく頭脳労働で徹夜や夜更かしは、まったくの無意味ですし
逆効果にしかなりません。
そういう指導をする親自身はそうした勉強をしてこなかったはずです。
やっていないからこそ言えるので、やったことがあればムダだと身にしみています。

本気で全力を出すためには、リラックスが必要です。心身ともに健康であることも必要です。
肉体的にも精神的にもリラックスした状態で、心も満たされている状態でこそ、
無心で勉強に打ち込むことができるのです。

だから、BENBUはゆるいのです。
ムダな緊張はさせません。

いくらゆるくしても、入試の日は着実に確実に迫ってきます。
中学校とは比べものにならない速さと難易度で授業が進み、
わからないところを解消する間もなく次の「わからない」が上乗せされます。
課題もどんどん出て、時間が足りない状況が日常となっています。
学校のテスト・模試が次々にやってきて結果をつきつけられ、
厳しい現実と対峙せざるを得ません。
親が必要以上に干渉してきて、ストレスが倍増することもあります。

そうした状況を勉強に適した状況、雰囲気に変え、
自分の能力を伸ばし可能性を拡げていくための努力を自ら実行できるように
するために、BENBUは存在します。
だから、BENBUはゆるいのです。










ゆるくして、努力しない生徒が出るのではないか、という心配は杞憂です。
そうした生徒は部員である資格を維持できません。
かつて、ゲーム中毒の生徒がいて、BENBUに来ているときだけ勉強するフリを
していましたが、そのくらいは見抜けます。自宅でも学校でもゲーム三昧でした。
その生徒には当然に辞めていただきました。親が怒鳴り込んできましたが突っぱねました。
努力しようとしない生徒は部員たり得ません。当然のことです。
生徒本人が努力したくないと思っているのに、無理矢理勉強させても無意味です。
無意味なことに時間・労力は使いたくありません。努力している生徒にだけ注ぎ込みます。

個別指導だからということで、勉強する気のない生徒を親が無理に引っ張ってくることもありますが、
そうした生徒を受け入れることはありません。
失敗した子育てを塾に直してもらおうなんて、虫がよすぎです。
大学入試をなめるにもほどがある、とも思います。
もしそうした生徒を変えるなら、一緒に生活するしか手はありませんが、そんな時間はありません。

BENBUは入退部自由です。この自由には、私自身の自由も含んでいます。
生徒本人が「伸びたい」と思っていることが、部員であるための必須の条件です。
それさえあれば、全力で応援します。
それがなければ、一切関わりません。