過労ってなに?

回転寿司の店長がなくなった原因が過労と労災認定された、とのニュースがありました。
認定された残業時間は月平均で85時間弱でした。
遺族は97130時間だったと主張しています。

別の事件では、北海道標津町職員が、月あたり149時間の残業をしていたそうです。

これで過労になるんですね。
厚労省は、違法な長時間労働をさせた企業に対する是正指導と企業名公表を制度化しました。
(「過労死等ゼロ」緊急対策 平成281226
                   厚労省 長時間労働削減推進本部)
 80時間を超える残業は、厚労省によれば「命の危険がある」とされているようです]


わたしはBENBUに、教室に来てから帰るまで、ほとんどの日は13.5時間以上います。
残業にあたる時間は1ヶ月あたり165時間超となり、回転寿司の店長さんをこえます。
長いときは日に17時間いますので、減らしていこうとは思っていますが、
過労となるには、まだまだ余力がある感じです。帰ってからの情報収集は日課です。
それ以外に自宅で仕事をしている日もあります。
休みはほぼないですし、月に日取ることにしている休みの日も決して休んではいません。
もちろん、健康を維持するためにできることはやっていますが、仕事には手を抜きません。

なぜ過労となるのか。
それは、いやいややらされているからじゃないかと思います。
好きなことなら、過労にならないのではないでしょうか。

義務感からやっている仕事、しかたなくやっている作業、
これを続けていると、ストレスが半端なく蓄積していきます。
この蓄積が過労を生み出すんだと思います。

何がいいたいかというと、
受験勉強を義務感でやっている高校生、しかたなくやっている高校生、
親に勉強を無理強いされている高校生は、
ストレスがたまり、その結果、とても疲れやすく過労になりやすいのではないか、
ということです。
人間の体は、残業が月に100時間を超えても耐えうるけれど、
それがストレスになる状況であれば耐えられなくなるのではないかと思います。
単純に時間だけで過労になるかどうかは決まらず、
その作業に伴うストレス発生量で決まると思います。

受験生は学校が休みの日は日に10時間以上勉強してもだいじょうぶなはずです。
人は、勉強はしていなくとも、必ず何かをしながら24時間を過ごしているのです。
わたしは、受験直前の半年くらいは、実質の勉強時間合計が13時間を超えないと、
さぼった感じがして手帳に書けなくなっていました。
難関大学に合格していく人たちは、そのくらいは当然にやっています。
それだけ勉強しても心身ともに悪影響がないのは、
それが、やりたいことだからです。

合格したいし、実力をあげていきたい。模試の成績もあげていきたい。
それだけじゃなく、受験勉強をして実力があがっていくことがうれしいし、
わからなかった問題が解けるようになっていくこともうれしい。
先月は手が出なかった問題がカンタンに思えるようになったことに気づいて
一人でニヤけてしまう。
勉強時間を積み上げて、やってきた教材を積み上げて、
頑張ってきた自分を誇りに感じる。
そうなれば、合格するのは時間の問題でしょう。

その真逆は、
親や教師に監視されて強要され、しかたなくやっている場合です。
あるいは、大学に行きたいわけじゃないけど、まわりが行くらしいから、
しかたなく自分も勉強しなきゃなと思ってやっている場合です。
こんな状況では、受験勉強は、ただつらいだけの作業になり、
ストレスばかりがたまって、知識も実力もたまっていきません。
いやいやさせられた学習内容は、眠っている間に、海馬で消去されていきます。
長期記憶には振り分けられず、いやな思い出として消されていきます。
これは意識ではどうしようもない生理現象なので、
勉強をいやいややることは無意味といえます。
できる人とそうでない人がはっきり分かれてしまうのは、
これが大きな原因となっていると思います。
同じ時間勉強しても、その成果に大きな差が出てしまいます。

勉強を強要してはいけないのです。脅して勉強させてはいけないのです。
お金をかけているんだから成果を出せなどと子どもに言うのは最悪です。
自ら子どもを潰しにかかっているようなものです。
努力はするけれど一向に成績が伸びない子どもに育つだけです。
BENBUは可能な限り月謝を低く抑えています。
これで高いと考え、子どもについ言ってしまう場合は、塾を変えてください。
あるいは週日だけにしてください。
学費のことを言われた子どもは、情けなくなります。
将来、親の面倒を見る頃には、親にお金をかけたくなくなるでしょう。
無意識の仕返しです。

勉強しているか頻繁に監視されている子どもは、勉強しているように見える作業に
時間を費やし、頭の中が発達しないままに終わります。勉強しているように見える
ことが親に求められていると考え、その期待に応えようとするからです。
中学生時代にこうなってしまうと、高校ではとてもついていけなくなります。

仕事から帰ってだらけていて、それにずっと子どもを付き合わせてきて、
高校生になってから、子どもに勉強しろというのは、おかしいことなのです。
子どもを伸ばすには、親も生活を考える必要があります。
よく言われることですが、子どもは親の言うことは聞かず、親のやることを
真似ます。子どもは親の鏡で、親の生活態度が子どもに現れます。
だらけた親が子どもに勉強しろと言っても、子どもは勉強しません。
例外がただつあります。子どもが親を見限った場合です。こんな大人になったら
終わりだと実感して、親から精神的に独立して自ら勉強する場合です。

勉強を強要するのではなく、勉強しているか監視するのでもなく、
子どもが勉強したくなるように、自分から進んで勉強するように、
うまく仕向けてあげることが、親や教師のなすべきことなのです。
そのために必要であれば、親も生活を改めなければなりません。

BENBUは、勉強を強要する場ではなく、
できる限り自主的に勉強しようと思えるように整えられた場です。
そうしている理由は、上述の通りです。
スパルタ式など意味がありません。
塾長からの病みそうになるメールで宿題をやらされる塾も無意味です。

まずは自分で勉強しようと思うこと。
その次の段階で、できるだけ楽しく勉強していくこと。
進んでいること、達成したことを、自分で喜ぶようにしていくこと。
(他人に自慢するのは目的がずれており、成果はあがらなくなります)
それが自然に、かつ、長時間できるようになっていくこと。
そうなるようにBENBUを作っています。

BENBUは、わたし自身が勉強している場でもありますので、
勉強する雰囲気ができあがっています。
ここに、勉強しようと思う生徒が集まってくれることで、
その雰囲気がさらに強大なものになっていきます。
だから、昨年度も、生徒がどんどん伸びていきました。
ネガティブな人もどんどん変わっていきました。
パワースポットと自ら呼んでいるのは、そういう意味です。

伸びる生徒にとっては、受験勉強は過労にはなりません。
ただし、睡眠時間を削ってはいけません。
しっかり眠って脳のコンディションをベストな状態に保ち続け、
その脳で勉強してこそ、成果が現れます。
自分で勉強を始めた生徒の保護者が最もなすべきことは、
子どもが夜更かししないようにすること、です。

もし、保護者が生徒に対し、夜更かしを強要して勉強させる場合は、
BENBUに合いません。
同意できないと思われた方は、メールでお知らせください。
生徒経由でも構いません。

今回は、保護者の方に対して、かなり厳しいことを書きました。
そういう塾には通わせませんということであれば、それで構いません。
お金を払っている相手に対して失礼すぎないかと思われるなら、辞めてください。
生徒の人生を考える上で、言わずにいられないことなので、あえて書いています。
商売のこと、利益のことなど考えていません。
もともと、無給の無休で年間やってきた塾です。
厳しいことを書く以上に、自分自身に厳しくしていますし、
お金を払っていただいている以上に、質を保ちつつ他塾より圧倒的に低料金にする
努力を続けていますので、
この姿勢を変えることはありませんし、信念も曲げません。
去っていく人に恨みを持つこともありません。その人はその人の世界で因果応報と
なるだけなので、わたしには関係がありません。
生徒がいなくなれば塾を閉めて、次のステップに進むだけです。