さらに安全に / 除菌・清掃にポリヘキサニドを併用します
ポリヘキサニドというのは、ソフトコンタクトレンズの消毒液の主成分です。
(正式名はポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)で、塩酸ポリヘキサニドは一般名)
ソフトコンタクトレンズを1液のみで洗浄・すすぎ・消毒・保存できます。
1996年に開発され販売されると、それまで主流だった煮沸消毒に取って代わってしまいました。
その後、現在も世界中で広く使われています。
(ソフトコンタクトレンズの洗浄剤には、より手軽に、より安全に使えるものを求めてきた歴史があります)
BENBUでは、部員がウイルスその他に感染することを可能な限り防止するため、
除菌・清掃にポリヘキサニドもあわせて使うことにしました。
除菌目的には、一般には、アルコール製剤が使われることが多いです。
アルコールは70%付近の濃度で殺菌力が最大となり、
アルコール分が蒸発して濃度が下がると効果がなくなります。
アルコールで拭いたら、その直後から効果が消えていきます。
また、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどに効果があるといわれるものの、
ノロウイルスには効きません。これはウイルスの構造の違いによります。
これに対し、次亜塩素酸やポリヘキサニドは、すべてのウイルスに効果があります。
これまで主に使ってきた次亜塩素酸は、除菌効果がとても高いものの、
有機物と反応してすぐに分解してしまうことが欠点です。
ポリヘキサニドは、乾燥後も繊維や硬質表面にとどまり、長時間除菌効果を持続します。
ドアの取っ手だけでなく、マスクや布製品に抗菌コートすることもできるものです。
そこでBENBUでは、ポリヘキサニドも併用することとし、必要量を確保しました。
ポリヘキサニドの有効性、安全性、有用性については、
臨床試験(6施設、6カ月以上、144名286眼)の結果、熱消毒と同等の有用性があると
評価されました。
その後、世界中で、主としてソフトコンタクトレンズの洗浄剤や抗菌ウェットティッシュの抗菌成分として使われていて、問題は起こっていません。
(洗浄剤の中には濃度の低いものもあり、繰り返し使っていると菌が増殖する場合もあります)
(BENBUで使うのは業務用なので、濃度は自分で調整できますし、
同じ溶液を繰り返し使用することはありません)
今後、床の拭き掃除などにポリヘキサニドを使い、BENBUがより安全な場所となるように努めていきます。
以下に参考情報を掲載します。
株式会社メニコン発行の「コンタクトレンズ博物誌」より
https://www.menicon.co.jp/whats/history/pdf/CLhistory12.pdf
洗浄剤・消毒剤・うがい薬等の衛生用品、薬液供給機器のメーカーである
サラヤ株式会社のホームページ中の「知っておきたい細菌・ウイルス」より
https://pro.saraya.com/kansen-yobo/bacteria-virus/