中学と高校の学習内容・勉強方法の違い/伸びる生徒伸びない生徒


<高校入学時点での勘違い>
つくば市の中心部では、竹園高校や土浦一高に入れば「賢い」扱いされ、
本人もその気になり、有名大学に入れるものと錯覚しがちです。

しかし、竹高や一高に入った時点で、それまでにやってきた勉強というのは、
簡単な県立高校入試の問題で満点近くが取れる程度で、
それに加えて私立高の難しめの数学の問題を少し解いてきたくらいです。
理科や社会では単に知識を覚えたにすぎません。
こうした学習内容のレベル(難易度)と量は、有名大学の入試に合格するのに
必要なレベル・量から見ると、ないに等しいくらいです。
竹高・一高に入った生徒と他の県立高校に入った生徒の差は、
大学入試レベルから見れば、ほぼないと言えるくらいなのです。

県立高校入試対策としては、入試の過去問題をできれば分野別・単元別に
まとめて演習すれば、それで十分です。
年間だけ集中すれば全科目を満点近くにまで引き上げることが可能です。
これは、毎年同じような問題が出されるからこそ可能なのです。
この程度の勉強では、考える力はたいして育っていません。
数学でさえ、解き方を覚えてしまえば満点近くに達するので、
そういう勉強法を高校数学でもとると、とたんに「できない生徒」に
なってしまいます。

高校入学までの勉強は、少し知識を身につけただけにすぎず、
大学入試で要求される思考力はトレーニングされていないと考えて
ちょうどよいくらいです。
幼稚園の頃から考える習慣を身につけている人は、思考力が備わっている
こともありますが、それは中学校の勉強による成果ではありません。
ましてや塾の成果でもありません。


<高校で伸びて有名大学に入りたいのなら>
高校で伸びて有名大学に入りたいのであれば、
「○○高校だから自分は賢いんだ」とか
「▽▽高校だから自分はダメなんだ」といった、
無駄なプライドや劣等感を持つのではなく、
都内の私立高校ではずっと先に進んでいて、より難しい問題もこなしている
ことを思い、有名大学に入るには、そうしたライバルに競り勝つことが必要
なんだと自覚して、
真摯に、教科書を読み、問題を解くことを、生活の一部に組み込むことが
必要です。
高校のテストさえ乗り切れば、あとは部活や遊びで過ごそうなんて
思っているようでは、有名大学にまったく届きません。
勉強することが、食事や睡眠と同じレベルで、生活になっていることが
必要です。勉強することが特別なことと思っているようでは話になりません。

高校の定期テストは、ひどい学校では、予告した範囲の問題とまったく同じ
問題を出し、直前に丸暗記さえしておけばほどほどの成績が取れてしまう所も
あります。
そしてテストが終わればきれいさっぱりと忘れ、復習することもありません。
そういう生活は楽しいのかも知れませんが、高校のあとの人生が、つらくなります。

の終わり頃から、「自分はバカになったのか?」と悩む生徒が出てきます。
バカになったのではありません。賢くなるためのトレーニングをさぼってただけです。
バカになる以前に、賢くなっていなかったのです。
自分は賢いと思ったのは幻想で、部活や遊びで年間をムダに費やしてきた当然の結果です。
有名大学に入るためには、高から本気で勉強し続け、高校の進度より早めに進み、
定期テストとは関係なく自分で以前の復習もしていくことが必要です。
県立高校の進度に合わせていては、有名大学合格に間に合いません。
定期テストを重視しすぎると、逆に実力は落ちます。
学年順位を気にしすぎると、実力は落ちます。
なぜなら、ムダな努力をし、ムダな時間を使ってしまうことになるからです。

部活をしつこいくらいに勧め、勉強は高校の先生を信頼していればだいじょうぶだから、
と学校ぐるみで生徒に言い続けている県立高校もあります。
しかし、進度は異常に遅く、年間分の必修カリキュラムをこなせていません。
こんなに平然と堂々と大ウソをつき続ける地方公務員って、なんなのでしょう。
税金で養ってあげる必要なんてないように思います。
部活を熱心に勧める教員は怪しいと思ってほしいです。

もちろん、有名大学に行かなくても人生で成功する人はいます。
大企業を作り上げた社長さんの中には、中卒、高卒の方もいます。
芸能人やスポーツ選手は高卒のことが多いです。
だから、有名大学に入ることが絶対必要だなどとは言いません。
ただ、そこそこの生活ができる人になれる確率が圧倒的に高くなるだけです。
出会う人が変わるだけです。触れる世界が違ってくるだけです。生きやすくなるだけです。

もし、有名大学に行きたいのであれば、
高校生活でもっとも重視することを「勉強」にすべきです。
片手間の勉強で合格できるほど甘い世界ではありません。
ゲーム中毒になっていて合格できるはずがありません。
部活は楽しいでしょうし、生活が充実し親友もできいい思い出もできるでしょうが、
それだけで疲れ果てて、部活のために高校に通う状態になってはいけません。
部活引退後に受験勉強を始めたとすると、
月から、次試験のある月までヶ月間もありません。
その期間で年分の勉強を、有名大学合格レベルにまで引き上げることは、
事実上無理です。
部活をする人は、勉強と両立させる苦しい生活を貫徹することが求められます。


<実力をつけるための勉強のしかた>
高校の授業中に眠っていては、どうしようもないです。
ひどい授業しかできない無能な教員がいることも承知していますが、
眠らず時間をできるだけ有効に使ってほしいです。
教員のせいにするのは言い訳です。無駄な時間の過ごし方は無駄な命の使い方です。
自分自身の命が、可能性が、失われている現実に気づくべきです。
中には塾・予備校の授業を受けながらも眠ってしまっている人もいます。
授業というのは、どうしても受け身になってしまうので眠くなりがちですし、
わかった気にはなっても、実力がついていないことも、よくあることです。
授業は、受けた後、できるだけ早く復習をして、自分の中に吸収・蓄積できるように
再構成することが必要です。
高校で授業を受けて、塾でも授業を受けて、復習する時間が取れないようでは、
何も蓄積していきません。栓をしないで浴槽にお湯を入れているようなものです。
大切なのは授業ではなく、そのあとの自分でする勉強なのです。

だから、「まだ授業受けてるの?」というキャッチコピーの塾が出てきたりするわけで、
その主張自体には賛成です。
実力を身につけるには自分で主体的に教科書を読み、問題を解くことが必要です。
中学校での学習内容と違い、すぐには理解できないことも多いです。
身につくまで時間がかかるものも多いです。
覚えるべき量が「あり得ない」と思うくらいにありますが、
覚えた上で、自分で説明できるようにすることも不可欠かつ重要です。
また、考えることも意識的に行うことが必要です。数学であれば、解く道順を問題文から
どう引き出すか、式変形はなぜそうするのか、この問題は何の理解を聞いているのかなども
考えながら問題を解き、復習することです。

その意味で、生徒が自分で問題集をこなしていくことがベストの勉強方法となるのですが、
どの問題集をこなすべきか、塾などから一律に指定されるのではなく、個々の状況も加味して
最適なものを勧められるべきですし、
問題が解けない・わからないときに、すぐに適切な解説をしてくれる人に近くにいてもらう
べきです。
また、こなしていくペースや時間の使い方についても見てもらいたいところです。
問題集をはしごすれば実力がつくかというと、つく場合もあれば、つかない場合もあります。
どう考えたかが重要で、公式にあてはめるような解き方をしていては実力はつかないのです。
その考え方にまで踏み込んでチェックしてもらえる環境が、伸びるために不可欠です。
問題集を解くことが目的ではなく、解くことを通して実力をつけることが目的なのです。
目的がすぐにすり替わってしまうので、注意が必要です。

よって、実力をつけるためには、高校の授業を受けるか、自分で教科書を読んで、
一応理解した範囲について、問題集を解き、答えがあっているかどうかだけでなく、
答えに至る過程が正しいのか、ほかに考え方はないのか、基本事項とどうつながっているのか、
そうした確認をすることが必要です。
解くのに要した時間が適切なのか、問題文のどこを見てどう解き始めたのかも他人にチェックして
もらいたいところです。

最悪なのは、問題の解き方を丸暗記して、「この問題(パターン)が出たらこの解き方」的に
捉えていく勉強です。数学でこれをやってしまうと、本当に「解けない人」「理解していない人」
になってしまいます。
外から見れば、解き方暗記なのかどうなのかは分かりづらいですが、
その道を通ってきた講師であれば見抜くことができます。
小中学生も教えている塾の中には、小中学生とまったく同じやり方で授業をし、
最初に説明をしてその単元の演習をさせ、次に進む形式を取っている所もあります。
このやり方で数学を学ぶと、生徒はパターン暗記をしてしまい、バカに育ちます。
講師にとって楽な方法は生徒には毒です。


<伸びる生徒・伸びない生徒>
まず、ゲームなどの依存症になってしまっている生徒は、伸びません。
勉強の前に、社会生活が送れるよう、治療をしたほうがいいと思います。
BENBUでは、そうした生徒は受け入れませんが、受け入れた後で判明した場合、
退部していただくことになります。

自分で考えようとする生徒は、伸びる可能性が高いですが、
自分で考えようとするあまり、他人の説明をはねつける人は、伸びるために時間がかかりすぎて、
受験に間に合いません。頑固すぎるのは問題です。
他人の考え方にも興味を持ち、自分の思考と合わせて新たに考えてみる生徒は伸びます。
新しい考え方に感動したり、おもしろがったりすることも、伸びるのに役立つ才能です。

精神面で幼すぎる人は、伸びにくいです。
大学受験は自分の人生に大きな影響を及ぼす機会ですが、
その自覚がなく、部活や遊びに流されているだけの、
定期テストをクリアするだけの、その場しのぎの勉強をしているだけの人は、
伸びる芽がありません。

がまんした経験が少なすぎる人も、伸びにくいです。
わがまますぎた幼少期を過ごし、がまんする力を養う機会を失した場合、
少し難しい問題になると、すぐにあきらめモードになり、思考ができません。
その生徒自身のせいではないので、かわいそうですが、しかたありません。
ただ、一緒にいて勉強を見てくれる人があれば、そして、難しさを適宜、笑いなどに変えてくれれば
少しずつ忍耐力が育ってきて、考えることができるようになってきます。

物事の捉え方がネガティブな人、自分自身に自信がなさすぎる人も、伸びにくいです。
そうした人は一緒にはいたくないですが、でも、高校生であれば、まだ変わる可能性があるので、
なんとかしてあげたくなります。
一緒にいるだけでエネルギーを奪われてしまうので、私自身にエネルギー補充が必要となりますし、
家族も同じような人であることも多いので苦労するのですが、
それでも、少しずつでも生きやすい方向に考え方を導くことに、やりがい・使命感を感じています。
自分に自信がないとしても、あと100年も生きられないわけで、
そのままの生き方・考え方を続ければ、最後に絶対後悔するだろう、そうはさせたくないと思います。
勉強や大学受験以前の、人間としての基本的な姿勢の問題となってしまいますが、
縁のあった生徒であれば、なんとか力になりたく思います。
ただ、伸びにくく、成果が出ても元に戻ってしまうこともあります。
家族の影響もあるので、やむを得ない面もあるのですが。

勉強を楽しむ人は、まちがいなく伸びます。

勉強をすることで自分の成績が上がることを喜ぶ人は、通りに分かれます。
成績を上げるために丸暗記などの安易な方法をとる人は、定期テストは上がっても実力は下がります。
本筋の勉強をきちんとこなすことで成績が上がり、定期テストよりも模試の成績を重視する人であれば
伸びていきます。
保護者の方が、よく、高校での順位を気にされます。
しかし、高校での順位の要素には、入試に向けた実力が反映したものと、
入試に無関係だけれど時間をかければ点数になるので順位を上げるためについ時間をかけてとったもの、
そして、入試から離れた、教師の趣味のような問題を解くために時間をかけてとったものが含まれます。
さらに、定期テストに従って勉強をしていては、入試に間に合わず、それまでの復習に時間をかけたために
順位が下がった場合、実力は逆に向上しています。
高校での順位を気にしすぎるのは、やめられた方がいいです。
たしかに実力と、ある程度の相関はあるでしょうが、50位以内であればそれ以上を望まれない方が
良い結果につながります。

ノートを丁寧に書く人は、伸びません。
ノートは自分の理解のためにとるもので、きれいに書く時間を節約し、書いた内容を頭の中で反芻すべき
なのです。
色ペンを多数使って、ノートを飾っている人は、教員の強制がある場合を別として、バカになっていきます。
ノートを作ること自体が目的となっていて、その内容に関心がなくなっているからです。
自分の中に知識と理解を取り込む手段に過ぎないものに、時間をかけすぎてはいけません。
教科書に書いてあることを、いちいちノートに書き写す人がいますが、
教科書に線をひけば一瞬で済むことに多大な時間と労力をかけていて、それが勉強だと錯覚しているので、
伸びません。その無駄さにやがては気づく日がくるのかも知れませんが、大学受験には間に合わないと
思います。

丁寧の逆で、ノートの字が自分でも読めないくらい汚い人も、伸びません。
書くことで思考の整理ができるのですが、汚すぎる字だと整理になりません。
次試験は記述式の大学が多いですが、汚すぎると読んでもらえません。


[ここまで下書きも推敲もなく一気に書きました。
 時間ができれば続きを書きますが、いつになるかわかりません。]