高校生に早寝早起きを強要するのは無益です。

親が子どもに対して、早く起きて勉強するように言いつけることがあります。
しかし、小学生ならまだしも、思春期以降は、早起きすれば、その分だけ睡眠不足となり
一日のパフォーマンスが落ちる結果、かえって成績が下がることになります。

アメリカで一部で学校の始業時間を遅らす "Start School Later" が実施されています。
(シアトル、カリフォルニアなど)

なぜ始業時間を遅らせた方が良いか
https://startschoollater.esleep.jp/evidence/

TED ”Why school should start later for teens”
https://www.ted.com/talks/wendy_troxel_why_school_should_start_later_for_teens


また、思春期から20代では体内時計が遅れて、早寝早起きには向かないことが科学的に
証明されています(下記、筑波大IIIS国際統合睡眠医科学研究機構のサイト参照)。
朝方に深く眠っているはずの時間帯に起こされると、睡眠不足は避けられません。
その分、早く眠ったとしても、睡眠不足の解消効果は薄いです。

ねむりのQ&A(IIIS)
「睡眠の豆知識」
https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese/faq/
の中の「睡眠改善のために社会的にどのような取り組みがされているのですか。」


無理に早起きさせると、結局は昼間(授業中)に眠くなり、
注意力や意欲が低下し、集中も切れやすくなって、マイナスの効果になります。
そういう生活が続くと、一日中ぼーっとしたまま過ごすようになってしまいます。
早起きの強要は、頑張らせた気がするだけの、無益な行為です。

早起きに限らず、睡眠時間を削ってでも勉強するように強要することは、
脳(まだ発達中)の成長を止めることにもなりかねません。
睡眠時間を削ることは、勉強しても伸びない子どもを育てる最高の方法となります。

夜更かししてゲームやネットに依存していると精神面でおかしくなっていきますが、
無理な早起きをさせていても同じように壊れていきます。
脳や精神がおかしくなっていては、もはや勉強どころではありません。

しっかりぐっすり眠ってこそ、賢くなります。
起きている時間を充実させ、好奇心・意欲を高いレベルに維持するために
十分な睡眠の確保が必要です。
それがご家庭において、もっともやっていただきたいことになります。
たとえテスト直前であっても、夜更かしは絶対させないで、早起きもさせないで、
睡眠最重視を貫いていただきたいです。