塾の選び方
新しい塾がどんどん増えてきていますね。
つくばに住む高校生の学力がこれからもどんどん伸びていきそうです。
とてもいいことだとわたしは思います。
競合他社が増えて大変だと思っている塾の経営者の方もいらっしゃるでしょうが、
わたしはそうは思いません。
難関大学を目指す高校生が次第に増えてくるでしょうし、
県立高校の学力レベルも上がっていくでしょう。
それに伴い、既存の塾のレベルもあがっていくでしょうし、
あがらない塾は淘汰されて、なくなっていくでしょう。
子供だまし(文字通り)の塾はなくなった方がいいのです。
最近、つくばに進出された塾の中には、プロ家庭教師を家庭に派遣してくれたり
教室で指導をしてくれたりする所もあります。
以前から「家庭教師のトライ」でもやっているシステムですね。
実績ある講師をHPなどで紹介していますが、実際に受けられるのは他塾で講師をしている
人たちによるアルバイト授業でしょう。
東京から講師を呼び寄せた場合、もとの料金が高い上に、往復の2時間分の料金も交通費
も加算されることになると思います。
わたしも一時期、プロ家庭教師をしていましたので(当時のわたしの時給は、低いケースで1万円、
平均で2万円程度)事情がよくわかるのですが、プロ家庭教師として耐えうる講師はとても少ないです。
講師として募集しているアルバイトの待遇を見ても、時給換算で2000円、難関中学対応でも5000円程度
なので、高いレベルの講師が集まるとは思えません。わたしが以前、都内の私立中学受験で
オファーがあったのはその4倍を超えましたが、さらに高い料金で請け負っている人も普通にいます。
料金とレベルは相関が高いと思います。
塾を考える生徒は、いろいろ目移りして迷うかも知れませんが、いろいろ経験しながら講師を
見る目を養いつつ、勉強のしかたを考えることも決して悪くはないでしょう。
そうは言っても時間は有限なので、体験を繰り返してばかりもいられませんね。
そこで、参考までに、塾選びについて、わたしが考えていることを、以下に書いてみます。
宣伝に乗せられて後悔しないように、冷静になるきっかけとなればうれしいです。
【集団授業か個別授業か】
中学生までならば、集団授業の方がいいです。
なぜなら、公立小中学校での指導レベルが低すぎて、授業自体を最初から受け直すべきだからです。
また、個別授業では、講師に支払われる報酬がとても低く、学生アルバイターが、適当に
やっているだけのことが多いからです(すべてがそうだとは言いませんが)。
しかし、高校生からは、集団授業はあまり適していません。
少なくともレベルが同程度の生徒のクラスでのみ、集団授業中心の授業は成り立ちます。
高校生からは個別指導をメインにすべきでしょう。
難易度が高く量が多いため、各自の得意・不得意、好き・嫌い、性格が理解度に大きく影響してきます。
クラスの全員が同じ進度で同じように理解できるはずがありません。
内容が簡単すぎる中学校の授業ですら、落ちこぼれたり、逆にヒマになりすぎたりする
生徒が出てくるのに、高校でも、そして塾でも、全員に同じ進度で進めていくのは無理があります。
また、一度、高校で授業を受けた内容なのに、さらに同じ内容を受けさせられるのは、
時間の無駄です。塾のカモになっています。そんなことに使っている時間は、本来ないはずです。
高校の教材以外のテキストを中心に集団授業を進める塾は最悪です。
生徒の負担が増えるだけで、高校の課題をこなす時間がなくなり、高校でも塾でもわからない点が
蓄積していき、学力は伸びず、自分で勉強する時間がなくなり,ストレスがたまります。
そうした塾は、単に、講師の準備が楽だから、中学生対象の授業と同じことをやっているだけで、
質においても量においても生徒のためにはなりません。
少し授業をしてすぐに演習して、また次の授業をしてすぐに演習・・・という方法論は
中学生までにしか通用しません。
【アルバイトについて】
学生アルバイトについては、生徒が中学生までであれば構わないと思います。
なぜなら、ゴールのレベルが低く、中3の秋以降に高校入試の過去問題を繰り返し解かせれば、
指導の質によらず、多くの生徒が満点近くを取れるようになるからです。
満点近くを取れない生徒の場合は、もはや学生アルバイターの能力・時間では対応できません。
【講師の質】
高校生を指導するのであれば、少なくとも専業でなければならないと思います。
量的にも質的にも、片手間にできるほど甘くはありません。
また、高校生は子どもから大人になる時期のまっただ中にいます(発達心理学でいう青年期)。
自分探しをしながら、自立に向け内面と対話し、将来のことも考える、とても重要で多感な時期です。
そんな高校生に対して、アルバイターが片手間で関わっても、ネットで見た情報と同程度の影響しか
与えることはできません。
勉強での悩みが実はもっと根深い悩みとつながっていることもあります。
大学受験の結果によって人生が大きく影響されてしまうので、
勉強でのわからない点をきっかけにして、
あるいは受験日までの日数の少なさを実感したことをきっかけにして、
これまで抑えこんでいた悩みや感情が一気に噴き出してくることもあります。
解き方を説明したり、表面的な相談で応じようとしたりしても、対応できない悩みです。
こうしたものを抱えている高校生は、実は多いです。
それをわかりつつ、勉強の指導を通して、また雑談を通して、その悩みにアクセスして
よりよい方向へ導くことができるためには、
大げさですが、人生を賭けて指導に徹した講師であることが必須です。
人間 対 人間 で、全人格をかけて、それまでの豊富な経験・知見をバックにして、
本気で対応するのでなければ、ネット上の無責任な匿名相談と変わりがありません。
いざとなれば逃げるつもりの、面倒なことは避けるつもりの講師に、高校生の相手は
務まらないです。
ビデオの中だけの講師は、書籍と変わりません。知識を得るだけなら有益でしょう。
ビデオの講師のフォローをする講師は、たいていアルバイターです。時給の限度での対応です。
大きなケージに詰め込まれたブロイラーの餌当番のような存在です。
安い個別指導塾の講師もほとんどがアルバイターです。安いのはなぜか?講師が安いのです。
社員講師であっても、適当にごまかして面倒を避ける人は多いです。
そんな社員講師は、わたしに言わせればクズで、軽蔑の対象にすら、なりません。
一人の人間と一人の人間という、人対人の関係で本当に効果を発揮するのは、
知識よりも人間力であり、本気度だと思います。
単に知識を切り売りするだけの塾は、オワコンで、もういらないと思います。
ネット上にも格安の授業がいくつも出回っています。
高校の教員も、多くはいらないんじゃないかと、存在意義がなくなっているんじゃないかと
思えてしまいます。
本気度に欠けるなら高校生に関わるな、と言いたいです。
定時に車を出す教員、教科書の棒読み授業だけの教員、声が聞こえない教員、
大学受験を考えず受験直前までだらだらと授業を続ける教員、
怒鳴るしか能がなく恐怖心で支配するしかない無能(無脳)な教員、
サブ科目なのに課題の量が多すぎる勘違い自己チュー教員、
部活動に異常に情熱を傾け勉強時間を無責任に奪って何も感じていない「支配者妄想」教員、
・・・挙げ出すとキリがありません。みんな、もう、いらないです。
かつて駿台予備学校に表三郎という英語の講師がいました。
わたし自身は予備校には通っていませんが、京大の直前模試のライブ解説で表講師の授業を
受けました。内容はそんなに参考にはならなかったのですが、表講師の本気度が伝わり、
その後に行った質問で講師が緊張のためか震えていたのを見て、
「この人は本気なんだ」「この質問にも人生がかかっているんだ」とわかり、
鳥肌を立てて感動したことを今でも覚えています。
質問することは人間対人間の心のぶつかり合いだし真剣勝負なんだと、そのときはっきり
わかりました。その感動自体が入試を突破するエネルギーの一部になりました。
その体験は、今でも他に代えがたい財産になっています。
高校生対象でも学生アルバイターを講師にしている塾もありますが、それは、生徒のためではなく、
塾にとって、もっとも利益になるからです。
加えて、下手な講師や問題を起こした講師は容易にクビにでき責任転嫁もしやすく、管理が楽だからです。
社員にすると、経費(固定費)が高くなり、容易にクビにはできず責任は塾が負わざるを得ません。
安い時給で(といっても学生アルバイトとしては高時給)アルバイターをたくさん採用し、
生徒をたくさん集めれば、塾には多くの収入が入ってきます。濡れ手に粟です。
人気の出た講師だけ残し、どんどん入れ替えればいいですし、入れ替えなくても数年で自動的に入れ替わります。
人気講師がいなくなると痛手ですが、その講師を知らない生徒をどんどん入れれば、それで済みます。
経営者が自ら授業をしているだけでは、わずかしか入ってきません。
ビデオ授業がメインの塾では、すでに撮りためてあるビデオを流せば流すほど、収益があがります。
どんどん宣伝してどんどん生徒を募集して狭い机に詰め込んで、どんどんビデオを流して、
管理はアルバイト1人にさせておけば、会社にどんどんお金がころがりこんできます。
優秀な生徒を無料で招待しておけば、合格実績を作ることができ、それが宣伝材料にもなります。
こういう、儲かるビジネスモデルを作った商売人に、ただ搾取されるのは、つまらないです。
自分で判断し、自分に利益になるところだけ「利用」して、自分の成績を上げればいいのです。
いらない授業まで買わされないように注意しましょう。
【講師と生徒との関係について】
一般的には、講師と生徒がLINEなどで個人的につながることは、塾が禁止しています。
その理由は、個人的な不適切な関係に陥るおそれがあるからです。
でもこれは、表向きの理由で、本音は違います。それなら異性間のみ禁止すれば足ります。
本音は、講師に生徒を取られないようにしたいからです。
講師が個人的に教えるようになってしまうと、塾を辞めてしまったり、講師とともに別の塾に移ったり
してしまうので、そうした事態を未然に防止しているわけです。
また、できの悪い生徒を別料金を徴収して補習授業に呼び出すような塾では、講師が個人的に教えて疑問を解消して
しまうと、せっかくのカモが消えてしまうからです。
したがって、BENBUのように、講師にLINEで直接いつでも質問でき、すぐに(1日以内に)返事がくる、
といったシステムは一般の塾では取れません。
BENBUでは女子生徒の方が多いのですが、問題は生じていません(あたりまえすぎますが)。
わたしに娘がいることや、小さい頃からたくさんいる従兄弟のほとんどが女性で、
女性ばかりの中で育ったために女性自体に興味がうすいことも原因かも知れません。
(といってもホモではありません)
・・・というか、
わたしが求めているものは、そんなものじゃないからです。
あと何年生きているのかわからないですが、求めているのは、残った命の活かし方です。
どうすれば真に人の役に立てるのか、それを見つけて実行して命を活かしたいだけなので、
女性関係がどうのこうのなんて、もはや、どうだっていいのです。
【時間】
1科目を週に1回だけ、1時間か2時間だけ、というのでは、少ないです。
勉強している高校生は、高校での1回の授業ででも、わからない点、確認したい点、あやふやな点が
たくさん生まれてきます。
その解消に対応できない塾は、高校生を伸ばす気があるのか、疑わしいです。
【何を教わるか】
高校生の場合、授業を初めから受けさせるところは、時間の無駄でしょう。
すでにわかっている所も含めて全部受けさせるのは、ビデオ講義主体の塾ですが、それは生徒ごとに
わからない部分について個別に対応することができないからです。
基本が大切だからとか、わかっているつもりでも確認が必要だとか、適当なことで言いくるめて
きますが、時間がもったいないですね。
最高の対応は、個々人ごとに、わからない所を聞き出して、それをもとに、
どこまで遡って説明すればスッキリと納得できるのかを判断し、反応を見ながら説明をし
「わかった!」と言ってもらうことです。
教わるなら、そうした教わり方をしてもらいたいものです。
【自習室について】
高校生であれば、不要かなと思っています。
なぜなら、高校に図書室や学習館などの自習に適した場所があり、学校外でも無料で使える場所が
あちこちにあるからです。
また、毎日同じ自習室に通っていると刺激が少なくなり、通う意義が薄れていくからです。
さらに、大学に合格するには、自宅で勉強できるようになる必要があるからです。
夜遅くまで自宅外で勉強するのは、せいぜい週の半分くらいにして、生活が夜型に固定しないように
することも重要です。
くわえて、いろんな場所で勉強する経験を重ねることで、いろんな環境への耐性が身についてきます。
いつも静かな場所でしか集中できない、というのでは、本番の入試で救急車や消防車、ヘリコプターが
近くを通ったり、答案に書き込むシャーペンの音がうるさい受験生の隣になってしまったりしたときに
大崩れしてしまうおそれがあります。自習室にデメリットがあることも知っておくべきでしょう。
自習室があるからその塾を選ぶ、という生徒の場合、勉強する気が本気なのかどうか、確認する必要が
あると思います。
一部の生徒は、自習室に通って勉強している、そうした受験生っぽい自分がすき♪ という、
形だけにとらわれた、自己満足でしかない勉強風の肉体労働に陥っているでしょう。
ノートが多色で飾られていたり蛍光ペンで文字が書かれていたりする場合は、その可能性が高いです。
また、一部の生徒は、勉強すること、志望校に合格すること、将来の希望を叶えていくこと、などが
本当にやりたいことになっていなくて、自分をごまかしたり、とりあえず高校の課題をこなしたりする
ために、自習室に缶詰になりたがっているのでしょう。
あるいは、家族の干渉から逃げる場が欲しいから自習室を求めている生徒もいるはずです。
いずれにしても、生徒が自分自身と向き合ってきちんと考えることが必要です。
その面でもサポートしてくれる塾があればベストです。
勉強は形ではありません。
寝転んでいても勉強できます。わたしは今でも、眠っていて思いついたことがあれば、
そのままベッドで勉強しています。なにかを食べていても、頭は勉強を続けていることもあります。
机に向かって、背筋を伸ばして、左手は机の上において・・・なんて、くだらなさすぎです。
机に向かっていれば勉強しているフリをして親をだませる、と思っている子どもも
きっと多いでしょう(「勉強しなさい!」と言われ続けてきた子どもの場合)。
勉強は形では判断できません。形に意識を置きすぎてはいけません。
勉強したいという気持ちがあれば、形なんてどうだっていいのです。
アタマが動いているか、気持ちが入っているか、それだけが重要です。
受験生になれば、自宅でも勉強に集中できるように家族を巻き込むことも必要ですし、
机まわりの片付けも必要です。資料を整理することは頭の中を整理することにもなります。
ずっと外で勉強しているばかりでは、机周りが雑然としてしまうことがおおいでしょう。
静かな環境でしか集中できないというのは受験に不利なので改善する必要もあります。
うるさくて誘惑の多い自宅でも勉強できる状態になることが、合格に近づく道です。
そうなって初めて、勉強が生活の一部になったといえます。
難関大学に合格するには、勉強することが生活の一部になっていることが不可欠です。
【科目】
理系の場合、数学がとても難しくなるので、塾では数学を中心に勉強する人が多いと思います。
しかし、入試は総合力です。合計得点の多い人から合格していきます。
したがって、苦手だから、難しいから、というだけで時間のかけ方を間違うと、
かえって合格から遠ざかってしまいます。
できれば、受験科目すべてを見てくれる塾を選ぶべきだとわたしは考えます。
そして、受験戦略を立て、その戦略に従った科目ごとの時間の割り振りを決めて、
勉強するべきだと思います。
【生徒のレベル】
親としては、成績の良い生徒が集まっている塾に行かせたくなります。
優秀な生徒が集まっているのだから、自分の子どももそこに入れれば優秀になっていくだろう、
と誤解(期待)してしまう気持ちはわからなくもありません。
こうした誤解をする保護者が多いので、それを宣伝材料にして生徒を集めている塾はたくさん
あります。全国規模の大手予備校もそうです。
しかし、成績の良い生徒は、必ずしもそこの塾のおかげで成績が良くなったわけではなく、
もともと良かったことがほとんどです。
そこに入って、良くなるのか、わたしは疑問です。
そうした塾は、照準をどのレベルの生徒に合わせているでしょうか?
当然に最上位の生徒のみに合わせているはずです。
なぜならそうすることで良い結果につながり、次の宣伝材料になるからです。
(問い合わせても本音を言うはずがありません。)
考えてみれば、
高校の同じクラスにも成績の良い生徒はいるわけです。
そして、同じ授業を受けているわけです。
それなのに成績に差がついてしまいます。
これは授業のせいではないと、気づくべきです。
良くできる生徒は塾で何かを教わっていて、そのために良くできるようになっているはずだ、
だから、成績の良い生徒が集まっている塾に入ると成績が良くなるはず!、と思ってしまう。
たしかに、そうした例も、あるかも知れません。
でも、ないかも知れません。逆に、劣等感を倍加させる結果になるだけかも知れません。
自分の子どもが伸びるために、何が必要なのか、よく考えることが重要だと思います。
また、大学受験レベルの勉強では、なにか特殊な裏技的な勉強方法や秘訣があって、
それを実践すれば成績が上がっていく、なんてことはありません。幻想です。
難関大学合格に、そんな、すぐに教われて効果の高い小手先のテクニックがあると思うこと自体、
おかしいのです。
大手予備校の講師がテクニックを披露して生徒を惹きつけることがありますが
(どの講師の授業を取るかの選択時期で特に)、
それは、そのテクニックがバッチリあてはまる問題を用意しているからです。
ただそれだけのことです。
2次試験の過去問を見れば明らかです。
一方通行的な集団授業では、こうした授業の「やり逃げ」も可能ですが、無責任だと思います。
つくばに住む高校生の学力がこれからもどんどん伸びていきそうです。
とてもいいことだとわたしは思います。
競合他社が増えて大変だと思っている塾の経営者の方もいらっしゃるでしょうが、
わたしはそうは思いません。
難関大学を目指す高校生が次第に増えてくるでしょうし、
県立高校の学力レベルも上がっていくでしょう。
それに伴い、既存の塾のレベルもあがっていくでしょうし、
あがらない塾は淘汰されて、なくなっていくでしょう。
子供だまし(文字通り)の塾はなくなった方がいいのです。
最近、つくばに進出された塾の中には、プロ家庭教師を家庭に派遣してくれたり
教室で指導をしてくれたりする所もあります。
以前から「家庭教師のトライ」でもやっているシステムですね。
実績ある講師をHPなどで紹介していますが、実際に受けられるのは他塾で講師をしている
人たちによるアルバイト授業でしょう。
東京から講師を呼び寄せた場合、もとの料金が高い上に、往復の2時間分の料金も交通費
も加算されることになると思います。
わたしも一時期、プロ家庭教師をしていましたので(当時のわたしの時給は、低いケースで1万円、
平均で2万円程度)事情がよくわかるのですが、プロ家庭教師として耐えうる講師はとても少ないです。
講師として募集しているアルバイトの待遇を見ても、時給換算で2000円、難関中学対応でも5000円程度
なので、高いレベルの講師が集まるとは思えません。わたしが以前、都内の私立中学受験で
オファーがあったのはその4倍を超えましたが、さらに高い料金で請け負っている人も普通にいます。
料金とレベルは相関が高いと思います。
塾を考える生徒は、いろいろ目移りして迷うかも知れませんが、いろいろ経験しながら講師を
見る目を養いつつ、勉強のしかたを考えることも決して悪くはないでしょう。
そうは言っても時間は有限なので、体験を繰り返してばかりもいられませんね。
そこで、参考までに、塾選びについて、わたしが考えていることを、以下に書いてみます。
宣伝に乗せられて後悔しないように、冷静になるきっかけとなればうれしいです。
【集団授業か個別授業か】
中学生までならば、集団授業の方がいいです。
なぜなら、公立小中学校での指導レベルが低すぎて、授業自体を最初から受け直すべきだからです。
また、個別授業では、講師に支払われる報酬がとても低く、学生アルバイターが、適当に
やっているだけのことが多いからです(すべてがそうだとは言いませんが)。
しかし、高校生からは、集団授業はあまり適していません。
少なくともレベルが同程度の生徒のクラスでのみ、集団授業中心の授業は成り立ちます。
高校生からは個別指導をメインにすべきでしょう。
難易度が高く量が多いため、各自の得意・不得意、好き・嫌い、性格が理解度に大きく影響してきます。
クラスの全員が同じ進度で同じように理解できるはずがありません。
内容が簡単すぎる中学校の授業ですら、落ちこぼれたり、逆にヒマになりすぎたりする
生徒が出てくるのに、高校でも、そして塾でも、全員に同じ進度で進めていくのは無理があります。
また、一度、高校で授業を受けた内容なのに、さらに同じ内容を受けさせられるのは、
時間の無駄です。塾のカモになっています。そんなことに使っている時間は、本来ないはずです。
高校の教材以外のテキストを中心に集団授業を進める塾は最悪です。
生徒の負担が増えるだけで、高校の課題をこなす時間がなくなり、高校でも塾でもわからない点が
蓄積していき、学力は伸びず、自分で勉強する時間がなくなり,ストレスがたまります。
そうした塾は、単に、講師の準備が楽だから、中学生対象の授業と同じことをやっているだけで、
質においても量においても生徒のためにはなりません。
少し授業をしてすぐに演習して、また次の授業をしてすぐに演習・・・という方法論は
中学生までにしか通用しません。
【アルバイトについて】
学生アルバイトについては、生徒が中学生までであれば構わないと思います。
なぜなら、ゴールのレベルが低く、中3の秋以降に高校入試の過去問題を繰り返し解かせれば、
指導の質によらず、多くの生徒が満点近くを取れるようになるからです。
満点近くを取れない生徒の場合は、もはや学生アルバイターの能力・時間では対応できません。
【講師の質】
高校生を指導するのであれば、少なくとも専業でなければならないと思います。
量的にも質的にも、片手間にできるほど甘くはありません。
また、高校生は子どもから大人になる時期のまっただ中にいます(発達心理学でいう青年期)。
自分探しをしながら、自立に向け内面と対話し、将来のことも考える、とても重要で多感な時期です。
そんな高校生に対して、アルバイターが片手間で関わっても、ネットで見た情報と同程度の影響しか
与えることはできません。
勉強での悩みが実はもっと根深い悩みとつながっていることもあります。
大学受験の結果によって人生が大きく影響されてしまうので、
勉強でのわからない点をきっかけにして、
あるいは受験日までの日数の少なさを実感したことをきっかけにして、
これまで抑えこんでいた悩みや感情が一気に噴き出してくることもあります。
解き方を説明したり、表面的な相談で応じようとしたりしても、対応できない悩みです。
こうしたものを抱えている高校生は、実は多いです。
それをわかりつつ、勉強の指導を通して、また雑談を通して、その悩みにアクセスして
よりよい方向へ導くことができるためには、
大げさですが、人生を賭けて指導に徹した講師であることが必須です。
人間 対 人間 で、全人格をかけて、それまでの豊富な経験・知見をバックにして、
本気で対応するのでなければ、ネット上の無責任な匿名相談と変わりがありません。
いざとなれば逃げるつもりの、面倒なことは避けるつもりの講師に、高校生の相手は
務まらないです。
ビデオの中だけの講師は、書籍と変わりません。知識を得るだけなら有益でしょう。
ビデオの講師のフォローをする講師は、たいていアルバイターです。時給の限度での対応です。
大きなケージに詰め込まれたブロイラーの餌当番のような存在です。
安い個別指導塾の講師もほとんどがアルバイターです。安いのはなぜか?講師が安いのです。
社員講師であっても、適当にごまかして面倒を避ける人は多いです。
そんな社員講師は、わたしに言わせればクズで、軽蔑の対象にすら、なりません。
一人の人間と一人の人間という、人対人の関係で本当に効果を発揮するのは、
知識よりも人間力であり、本気度だと思います。
単に知識を切り売りするだけの塾は、オワコンで、もういらないと思います。
ネット上にも格安の授業がいくつも出回っています。
高校の教員も、多くはいらないんじゃないかと、存在意義がなくなっているんじゃないかと
思えてしまいます。
本気度に欠けるなら高校生に関わるな、と言いたいです。
定時に車を出す教員、教科書の棒読み授業だけの教員、声が聞こえない教員、
大学受験を考えず受験直前までだらだらと授業を続ける教員、
怒鳴るしか能がなく恐怖心で支配するしかない無能(無脳)な教員、
サブ科目なのに課題の量が多すぎる勘違い自己チュー教員、
部活動に異常に情熱を傾け勉強時間を無責任に奪って何も感じていない「支配者妄想」教員、
・・・挙げ出すとキリがありません。みんな、もう、いらないです。
かつて駿台予備学校に表三郎という英語の講師がいました。
わたし自身は予備校には通っていませんが、京大の直前模試のライブ解説で表講師の授業を
受けました。内容はそんなに参考にはならなかったのですが、表講師の本気度が伝わり、
その後に行った質問で講師が緊張のためか震えていたのを見て、
「この人は本気なんだ」「この質問にも人生がかかっているんだ」とわかり、
鳥肌を立てて感動したことを今でも覚えています。
質問することは人間対人間の心のぶつかり合いだし真剣勝負なんだと、そのときはっきり
わかりました。その感動自体が入試を突破するエネルギーの一部になりました。
その体験は、今でも他に代えがたい財産になっています。
高校生対象でも学生アルバイターを講師にしている塾もありますが、それは、生徒のためではなく、
塾にとって、もっとも利益になるからです。
加えて、下手な講師や問題を起こした講師は容易にクビにでき責任転嫁もしやすく、管理が楽だからです。
社員にすると、経費(固定費)が高くなり、容易にクビにはできず責任は塾が負わざるを得ません。
安い時給で(といっても学生アルバイトとしては高時給)アルバイターをたくさん採用し、
生徒をたくさん集めれば、塾には多くの収入が入ってきます。濡れ手に粟です。
人気の出た講師だけ残し、どんどん入れ替えればいいですし、入れ替えなくても数年で自動的に入れ替わります。
人気講師がいなくなると痛手ですが、その講師を知らない生徒をどんどん入れれば、それで済みます。
経営者が自ら授業をしているだけでは、わずかしか入ってきません。
ビデオ授業がメインの塾では、すでに撮りためてあるビデオを流せば流すほど、収益があがります。
どんどん宣伝してどんどん生徒を募集して狭い机に詰め込んで、どんどんビデオを流して、
管理はアルバイト1人にさせておけば、会社にどんどんお金がころがりこんできます。
優秀な生徒を無料で招待しておけば、合格実績を作ることができ、それが宣伝材料にもなります。
こういう、儲かるビジネスモデルを作った商売人に、ただ搾取されるのは、つまらないです。
自分で判断し、自分に利益になるところだけ「利用」して、自分の成績を上げればいいのです。
いらない授業まで買わされないように注意しましょう。
【講師と生徒との関係について】
一般的には、講師と生徒がLINEなどで個人的につながることは、塾が禁止しています。
その理由は、個人的な不適切な関係に陥るおそれがあるからです。
でもこれは、表向きの理由で、本音は違います。それなら異性間のみ禁止すれば足ります。
本音は、講師に生徒を取られないようにしたいからです。
講師が個人的に教えるようになってしまうと、塾を辞めてしまったり、講師とともに別の塾に移ったり
してしまうので、そうした事態を未然に防止しているわけです。
また、できの悪い生徒を別料金を徴収して補習授業に呼び出すような塾では、講師が個人的に教えて疑問を解消して
しまうと、せっかくのカモが消えてしまうからです。
したがって、BENBUのように、講師にLINEで直接いつでも質問でき、すぐに(1日以内に)返事がくる、
といったシステムは一般の塾では取れません。
BENBUでは女子生徒の方が多いのですが、問題は生じていません(あたりまえすぎますが)。
わたしに娘がいることや、小さい頃からたくさんいる従兄弟のほとんどが女性で、
女性ばかりの中で育ったために女性自体に興味がうすいことも原因かも知れません。
(といってもホモではありません)
・・・というか、
わたしが求めているものは、そんなものじゃないからです。
あと何年生きているのかわからないですが、求めているのは、残った命の活かし方です。
どうすれば真に人の役に立てるのか、それを見つけて実行して命を活かしたいだけなので、
女性関係がどうのこうのなんて、もはや、どうだっていいのです。
【時間】
1科目を週に1回だけ、1時間か2時間だけ、というのでは、少ないです。
勉強している高校生は、高校での1回の授業ででも、わからない点、確認したい点、あやふやな点が
たくさん生まれてきます。
その解消に対応できない塾は、高校生を伸ばす気があるのか、疑わしいです。
【何を教わるか】
高校生の場合、授業を初めから受けさせるところは、時間の無駄でしょう。
すでにわかっている所も含めて全部受けさせるのは、ビデオ講義主体の塾ですが、それは生徒ごとに
わからない部分について個別に対応することができないからです。
基本が大切だからとか、わかっているつもりでも確認が必要だとか、適当なことで言いくるめて
きますが、時間がもったいないですね。
最高の対応は、個々人ごとに、わからない所を聞き出して、それをもとに、
どこまで遡って説明すればスッキリと納得できるのかを判断し、反応を見ながら説明をし
「わかった!」と言ってもらうことです。
教わるなら、そうした教わり方をしてもらいたいものです。
【自習室について】
高校生であれば、不要かなと思っています。
なぜなら、高校に図書室や学習館などの自習に適した場所があり、学校外でも無料で使える場所が
あちこちにあるからです。
また、毎日同じ自習室に通っていると刺激が少なくなり、通う意義が薄れていくからです。
さらに、大学に合格するには、自宅で勉強できるようになる必要があるからです。
夜遅くまで自宅外で勉強するのは、せいぜい週の半分くらいにして、生活が夜型に固定しないように
することも重要です。
くわえて、いろんな場所で勉強する経験を重ねることで、いろんな環境への耐性が身についてきます。
いつも静かな場所でしか集中できない、というのでは、本番の入試で救急車や消防車、ヘリコプターが
近くを通ったり、答案に書き込むシャーペンの音がうるさい受験生の隣になってしまったりしたときに
大崩れしてしまうおそれがあります。自習室にデメリットがあることも知っておくべきでしょう。
自習室があるからその塾を選ぶ、という生徒の場合、勉強する気が本気なのかどうか、確認する必要が
あると思います。
一部の生徒は、自習室に通って勉強している、そうした受験生っぽい自分がすき♪ という、
形だけにとらわれた、自己満足でしかない勉強風の肉体労働に陥っているでしょう。
ノートが多色で飾られていたり蛍光ペンで文字が書かれていたりする場合は、その可能性が高いです。
また、一部の生徒は、勉強すること、志望校に合格すること、将来の希望を叶えていくこと、などが
本当にやりたいことになっていなくて、自分をごまかしたり、とりあえず高校の課題をこなしたりする
ために、自習室に缶詰になりたがっているのでしょう。
あるいは、家族の干渉から逃げる場が欲しいから自習室を求めている生徒もいるはずです。
いずれにしても、生徒が自分自身と向き合ってきちんと考えることが必要です。
その面でもサポートしてくれる塾があればベストです。
勉強は形ではありません。
寝転んでいても勉強できます。わたしは今でも、眠っていて思いついたことがあれば、
そのままベッドで勉強しています。なにかを食べていても、頭は勉強を続けていることもあります。
机に向かって、背筋を伸ばして、左手は机の上において・・・なんて、くだらなさすぎです。
机に向かっていれば勉強しているフリをして親をだませる、と思っている子どもも
きっと多いでしょう(「勉強しなさい!」と言われ続けてきた子どもの場合)。
勉強は形では判断できません。形に意識を置きすぎてはいけません。
勉強したいという気持ちがあれば、形なんてどうだっていいのです。
アタマが動いているか、気持ちが入っているか、それだけが重要です。
受験生になれば、自宅でも勉強に集中できるように家族を巻き込むことも必要ですし、
机まわりの片付けも必要です。資料を整理することは頭の中を整理することにもなります。
ずっと外で勉強しているばかりでは、机周りが雑然としてしまうことがおおいでしょう。
静かな環境でしか集中できないというのは受験に不利なので改善する必要もあります。
うるさくて誘惑の多い自宅でも勉強できる状態になることが、合格に近づく道です。
そうなって初めて、勉強が生活の一部になったといえます。
難関大学に合格するには、勉強することが生活の一部になっていることが不可欠です。
【科目】
理系の場合、数学がとても難しくなるので、塾では数学を中心に勉強する人が多いと思います。
しかし、入試は総合力です。合計得点の多い人から合格していきます。
したがって、苦手だから、難しいから、というだけで時間のかけ方を間違うと、
かえって合格から遠ざかってしまいます。
できれば、受験科目すべてを見てくれる塾を選ぶべきだとわたしは考えます。
そして、受験戦略を立て、その戦略に従った科目ごとの時間の割り振りを決めて、
勉強するべきだと思います。
【生徒のレベル】
親としては、成績の良い生徒が集まっている塾に行かせたくなります。
優秀な生徒が集まっているのだから、自分の子どももそこに入れれば優秀になっていくだろう、
と誤解(期待)してしまう気持ちはわからなくもありません。
こうした誤解をする保護者が多いので、それを宣伝材料にして生徒を集めている塾はたくさん
あります。全国規模の大手予備校もそうです。
しかし、成績の良い生徒は、必ずしもそこの塾のおかげで成績が良くなったわけではなく、
もともと良かったことがほとんどです。
そこに入って、良くなるのか、わたしは疑問です。
そうした塾は、照準をどのレベルの生徒に合わせているでしょうか?
当然に最上位の生徒のみに合わせているはずです。
なぜならそうすることで良い結果につながり、次の宣伝材料になるからです。
(問い合わせても本音を言うはずがありません。)
考えてみれば、
高校の同じクラスにも成績の良い生徒はいるわけです。
そして、同じ授業を受けているわけです。
それなのに成績に差がついてしまいます。
これは授業のせいではないと、気づくべきです。
良くできる生徒は塾で何かを教わっていて、そのために良くできるようになっているはずだ、
だから、成績の良い生徒が集まっている塾に入ると成績が良くなるはず!、と思ってしまう。
たしかに、そうした例も、あるかも知れません。
でも、ないかも知れません。逆に、劣等感を倍加させる結果になるだけかも知れません。
自分の子どもが伸びるために、何が必要なのか、よく考えることが重要だと思います。
また、大学受験レベルの勉強では、なにか特殊な裏技的な勉強方法や秘訣があって、
それを実践すれば成績が上がっていく、なんてことはありません。幻想です。
難関大学合格に、そんな、すぐに教われて効果の高い小手先のテクニックがあると思うこと自体、
おかしいのです。
大手予備校の講師がテクニックを披露して生徒を惹きつけることがありますが
(どの講師の授業を取るかの選択時期で特に)、
それは、そのテクニックがバッチリあてはまる問題を用意しているからです。
ただそれだけのことです。
2次試験の過去問を見れば明らかです。
一方通行的な集団授業では、こうした授業の「やり逃げ」も可能ですが、無責任だと思います。