文系にするの? 文系でいいの?
このところ、猛烈な忙しさのために更新が滞っていました。
2018年センター物理の解答の実況中継動画を一応撮り終え、ようやく一段落つきました。
時間があればじっくり解説するバージョンも撮る予定です。
現在、理系のまま進むか、文系に変えるか悩んでいる生徒がいます。
男女不明としますが、ここではとりあえず「彼」としておきます。
彼は数学も物理も嫌いではないとのこと。
でも、数学をこのままずっと勉強し続けていく自信がないらしいのです。
だから文系に、というのは、すごくよくある典型的なパターンなのですが、
それでいいのかな、と私も悩んでいるところです。
2020年度から従来のセンター試験に代わり共通テストが導入されます。
それに伴い、私立文系の最高峰の一つ、早稲田大学の政経学部で共通テストの受験が必須化され数学も勉強せざるを得なくなります。
政経学部以外にも国際教養学部、スポーツ科学部も必須化されます。
その理由は「論理的思考力」のある人に入学してもらいたいからだそうです。これは数学の勉強で培われる能力です。
おそらく私立文系でも難関大学は同様の動きをするでしょう。
数学が苦手だとか嫌いだとか言っていては、私立文系でもこれからは不利になってきます。
数学が苦手だから文系にしたのに・・・という泣き言を言っていても始まりません。
また、文系に移れば大学受験はカンタンになるのか?についても疑問です。
国語、英語にしても、文系の2次試験では、細かい知識まで要求されるようになります。
パッと見た目には、理系と文系で英語の2次試験の問題は同じように見えることもありますが、問われている中身・題材までチェックすると、難しさを実感することになると思います。仮定法でifを省略し、その節を文の後半に移動させると、文構造自体がとてもわかりにくくなりますが、そうしたものも容易に見抜くことが必要になってきます。理系の文章では、わざわざそんな悪文は使いません。事実を伝えるために言語を使うからです。
2次試験の古典では、センターレベルの学力では太刀打ちできない出題になります。古典文法に沿わない例外的な用法も平気で出題されます。奈良時代と平安時代で文法も変遷し単語の意味が変わることがありますが、それを知っていることを要求する出題もなされます。
そうした面倒な世界が、カンタンなわけがありません。
苦手だからといって数学を避けて、別の苦手に突っ込んでいくと、もう逃げ道がなくなり、大学のランクを下げていくしか手がなくなります。
理系か文系かで、あまりに単純な判断がなされることが多いですが、数学が苦手だというだけの理由で文系に変えた場合は、目指す大学のランクも同時に下げることになってしまうことも、意識すべきです。
また、数学が苦手だと判断する前に、とことん数学を勉強すべきです。少しやったくらいで得意になれるような、中学数学のイメージでいるから、高校数学で心が折れてしまうのです。毎日4時間くらい数学に没頭して、それでもダメなら苦手と言っていいでしょう。授業の予習復習も適当に済ませ、問題集も学校の問題集を数度解いたくらいで、しかも解き方を覚えてその記憶で定期テストを乗り切ろうとするような安易な勉強をしたくらいで、数学が苦手かどうかなんて、判断できるはずがありません。
結局は、まともに数学を勉強せずに、おそれだけが膨らんでいるにすぎないのです。
数学の勉強が、解き方を覚えるような変なものになってしまったのは、県立高校入試の数学があまりにカンタンなことが原因です。
毎年出題内容がほぼ決まっていて、解き方を覚えれば満点近く取れてしまうカンタンすぎる出題だからそうなるのです。
高校生向けの塾の中には、過去のその高校でのテスト問題を配ってテスト前に勉強させ、見かけの成績を上げているところもあります。まさに中学での誤った勉強法です。定期テストの点数は上がっても、実力は伸びず、大学入試では苦労することになります。
安易な文転ではなく、一度とことん数学をやった上で判断することを勧めます。
その判断には一生がかかっているので、逃げの姿勢での判断は避けてほしいです。
2018年センター物理の解答の実況中継動画を一応撮り終え、ようやく一段落つきました。
時間があればじっくり解説するバージョンも撮る予定です。
現在、理系のまま進むか、文系に変えるか悩んでいる生徒がいます。
男女不明としますが、ここではとりあえず「彼」としておきます。
彼は数学も物理も嫌いではないとのこと。
でも、数学をこのままずっと勉強し続けていく自信がないらしいのです。
だから文系に、というのは、すごくよくある典型的なパターンなのですが、
それでいいのかな、と私も悩んでいるところです。
2020年度から従来のセンター試験に代わり共通テストが導入されます。
それに伴い、私立文系の最高峰の一つ、早稲田大学の政経学部で共通テストの受験が必須化され数学も勉強せざるを得なくなります。
政経学部以外にも国際教養学部、スポーツ科学部も必須化されます。
その理由は「論理的思考力」のある人に入学してもらいたいからだそうです。これは数学の勉強で培われる能力です。
おそらく私立文系でも難関大学は同様の動きをするでしょう。
数学が苦手だとか嫌いだとか言っていては、私立文系でもこれからは不利になってきます。
数学が苦手だから文系にしたのに・・・という泣き言を言っていても始まりません。
また、文系に移れば大学受験はカンタンになるのか?についても疑問です。
国語、英語にしても、文系の2次試験では、細かい知識まで要求されるようになります。
パッと見た目には、理系と文系で英語の2次試験の問題は同じように見えることもありますが、問われている中身・題材までチェックすると、難しさを実感することになると思います。仮定法でifを省略し、その節を文の後半に移動させると、文構造自体がとてもわかりにくくなりますが、そうしたものも容易に見抜くことが必要になってきます。理系の文章では、わざわざそんな悪文は使いません。事実を伝えるために言語を使うからです。
2次試験の古典では、センターレベルの学力では太刀打ちできない出題になります。古典文法に沿わない例外的な用法も平気で出題されます。奈良時代と平安時代で文法も変遷し単語の意味が変わることがありますが、それを知っていることを要求する出題もなされます。
そうした面倒な世界が、カンタンなわけがありません。
苦手だからといって数学を避けて、別の苦手に突っ込んでいくと、もう逃げ道がなくなり、大学のランクを下げていくしか手がなくなります。
理系か文系かで、あまりに単純な判断がなされることが多いですが、数学が苦手だというだけの理由で文系に変えた場合は、目指す大学のランクも同時に下げることになってしまうことも、意識すべきです。
また、数学が苦手だと判断する前に、とことん数学を勉強すべきです。少しやったくらいで得意になれるような、中学数学のイメージでいるから、高校数学で心が折れてしまうのです。毎日4時間くらい数学に没頭して、それでもダメなら苦手と言っていいでしょう。授業の予習復習も適当に済ませ、問題集も学校の問題集を数度解いたくらいで、しかも解き方を覚えてその記憶で定期テストを乗り切ろうとするような安易な勉強をしたくらいで、数学が苦手かどうかなんて、判断できるはずがありません。
結局は、まともに数学を勉強せずに、おそれだけが膨らんでいるにすぎないのです。
数学の勉強が、解き方を覚えるような変なものになってしまったのは、県立高校入試の数学があまりにカンタンなことが原因です。
毎年出題内容がほぼ決まっていて、解き方を覚えれば満点近く取れてしまうカンタンすぎる出題だからそうなるのです。
高校生向けの塾の中には、過去のその高校でのテスト問題を配ってテスト前に勉強させ、見かけの成績を上げているところもあります。まさに中学での誤った勉強法です。定期テストの点数は上がっても、実力は伸びず、大学入試では苦労することになります。
安易な文転ではなく、一度とことん数学をやった上で判断することを勧めます。
その判断には一生がかかっているので、逃げの姿勢での判断は避けてほしいです。
p.s.
高校の教員(文系出身)が、物理のテストの成績が悪かった1年生に対し、「文系にしろ!」と強要する例があるようです。
物理の授業自体がへたくそだった可能性が(授業の様子を聞くと、眠っている生徒が多く、へたくそである可能性はかなり)大きいのに、1年生を相手に何を言っているんでしょうか。不合格者(浪人)を増やすと実績に響くから、そうするように校長から指示があるのかも知れません。
では、文系にすると、どうなるか。文系に変えれば難関大学を狙えそうな誤った期待を抱かせつつ、文系にしたとしても、難関大学は無理という現実は、何も変わらないのです。
ビリギャルのような、名前だけカッコイイ大学に進むことは、文系であれば可能なので、そういう選択肢は否定しません(ビリギャルはフィクションにすぎず、ウソが多く要注意)。でも、自己満足にしかならず、就職で有利になるはずもなく(採用担当者には当然に見透かされる)、むなしいだけです。
1年生であれば、本気で勉強に取り組むように強く勧めるべきだし、理系を志望しているなら理系のままで、伸びるための手助けをしてあげるべきだと思います。
高校教員の能力に疑問を感じる事例を多く耳にするのが、哀しいです。