部活って、大事、だよね?

部活って、なんのために入るんだろう?
楽しいから。仲間・友人ができるから。なんとなく。誘われたから。友人が入っているから。
体力作りのため。時間つぶしのため。新しい人間関係・社会に属したいから。さみしいから。
ぼっちは避けたいから。入るものって決まっているように感じたから。

野球で甲子園に出場したいから、といった目標がある人は別として、
部活はサブ的なものにすぎないと思う。
高校生活をより楽しくより充実させるためのオプションと考える人が多いはず。
メインは、やはり、勉強。
とりわけ、大学受験に向けての勉強が中心だと思うし、そうあるべきだと思う。
少なくとも、部活のために、行きたい大学をあきらめて入れる大学に進む、といったことは
したくないはず。

そうであれば、部活と勉強は両立させなければならない。
もし両立できなくなったなら、優先させるのは部活じゃない。
授業について行けなくなったなら、部活を休んででも、退部してでも、勉強しなくちゃいけない。
だって、自分の人生に大きく影響してしまうから。
勉強がさっぱりだと、高校生活そのものが暗くなってしまうから。
目指していた高校に合格して、まわりから「すごいね」と言われ、そういう目で見られて
いるのに、実は落ちこぼれてしまっているなんて、とても言えないから。
部活があるから、試合があるから、といって、学力を伸ばすことをあきらめちゃいけない。

高校生活が人生の中で最高に輝いていた時間だった、と言えて満足であれば、それでもいい。
高校生活もよかったけれど、それよりも、そのあとの人生の方が、もっとよかったと言いたい
なら、部活に支配された高校生活をしていちゃ、いけない。
高校卒業で18歳。80歳まで生きるなら、残りの人生は62年間で、はるかに長い。
2年ちょっとの部活動のために62年間を捧げていいのか、冷静に考えてほしい。
好きな仕事に就くチャンス、能力を伸ばすチャンス、より高収入を得るチャンスを
部活動のために捧げて、その代償として2年ちょっとを楽しんでいることに気づいてほしい。
実際には、楽しんでいるんじゃなくて、部活に支配されて翻弄されている人が多いように感じる。
そうだとすれば、いったい何をやっているんだろう。
楽しんでもいなくて、将来を犠牲にしているだけで、なにもプラスがない。
せっかく部活動をするのなら、楽しむべきだし、楽しめるものを選ぶべき。
違うと感じたら、転部すべきだし、他人の目を気にしてちゃいけない。
部活をやめる際に人間関係が悪化したとしても、その関係はせいぜい卒業までしか続かない。
長い人生から見れば、どうだっていいことになるし、将来振り返ったときにそう思えてくる。
部活動を続けるのなら、絶対に勉強との両立を目指すのみ。

ただ、両立を目指すと、高校3年間が修行そのものになると覚悟した方がいい。
時間的にも体力的にも、ギリギリになる。
それ以外にゲームなどをする余裕なんてない。
そのギリギリの生活を、充実した生活だと楽しめるかどうか、そこが両立成功のポイントになる。
時間がない、じゃあ、どうしよう。授業直前直後の1、2分も活用して予復習するぞ!とか、
昼休みは図書室で勉強!とか、工夫をし続けることになる。
部活以外の時間は、いつもアタマの中に勉強のことがある状態になる。
そうした生活を楽しめれば、両立できる。たとえば、サッカー部のキャプテンをしながら、
最難関の国立大学に現役合格することも可能になってくる。
実現させた人を知っているけれど、高校生活を振り返って、二度とああいう生活はしたくない
と言っていた。精神的にも肉体的にもギリギリになってしまうから、楽しんではいても、
当然にきついし、つらい。
苦しいだけで状況を楽しめないのなら、両立は無理だとあきらめよう。

あまりに時間を奪う部活に入っていて、土日も勉強に集中できなくて、
授業もわからなくなってしまった人は、部活をやめる選択をまじめに考えてほしい。
そのままの人生でいいのか、自分で選べるのに、その選択のままでいいのか、
冷静に考えてほしい。
高校の先生、部活の顧問は、君の人生を補償してくれるわけじゃない。
勉強や進学のことは考えずに部活動に燃えている顧問もいる。
授業以外部活をやれ、と求める顧問も存在する。
でも、それに従うか従わないかは、自分で決めることができるんだ。
従ったとしても自分で決めて従うことが大切。なぜなら、自分の人生がかかっているから。

部活動に没頭していた人が退部すると、急にぼっちになった感じがすると思う。
でも、ぼっちで構わない、とおもう。
TVによく出ている林修氏は小中高と友人は一人もいなかったと言っている。
それは極端だけれど、それで構わないと思う。
群れることで安心感は得られても、決して安心な状況になるわけではない。
集団でより危険な状態に進んでいるにすぎない。
自分の人生は自分で選択し自分で作るもの。
部活は自分で選ぶもの。
支配されちゃいけない。
難関大学を狙うなら、休み時間に群れることはないはず。
昼食を一緒に食べて、ずっとしゃべっていることもないはず。
予習復習をしたり英単語、古文単語を覚えたり、いろいろとやるべきことが多いのだから、
友人がいっぱいいても、結局は自分の勉強をして「ぼっち」状態にならざるを得ない。
だったら、最初からぼっちで構わない。

実力がついてくれば、同じくらいの学力の人、がんばっている人とは自然に親しくなること
が増えてくる。
会話はしなくても、お互いにライバル意識が芽生えてきて、なんとなく一緒に勉強している
ような感じになってくる。
そうなれば、もはや、ぼっちじゃない。
高3の半ばからは、大半の人がそうなるので、
その前にスタートを切っておくことが大切だ。
高3からスタートでは、実は遅い。
積み残しが2年分あるのに、高3の新しい内容も理解しこなしていくのはキツすぎる。

部活動で、あっという間に高3になってしまったと感じてしまう前に、
自分の生き方を見直してほしい。
自分の人生は自分で選び自分で決めるもの。
勉強を犠牲にさせる部活動なら、勇気を持って、離れる決断をすることも、必要だ。
高校卒業後の人生を、「部活動が忙しかったから」をいう言い訳でごまかし続けるのは、
自分がいちばんつらい。